「キャリアコンサルタント資格は取ったけれど、もう50代だから遅いのではないか?」「60代から始めても、仕事として成り立つのだろうか?」「もっと若い人のほうが有利なのではないか?」
こうした不安を感じる方は、とても多いかもしれません。
特にミドルシニア世代は、資格を取ったあとに一歩を踏み出そうとした時、また思ったように計画が進まない時に、年齢のことが急に気になり始めるものです。
結論から言うと、50代・60代からキャリアコンサルタントを始めること自体は、決して遅くありません。
ただし、何も考えずに始めればうまくいく、という意味でもありません。
大切なのは、年齢が高いことをどう活かすか?
どんな形でデビューするかをどう設計するか?
です。
そもそも、キャリアコンサルタントの中心層はミドルシニアです
まず知っておいていただきたいのは、キャリアコンサルタントの世界では、50代・60代は決して少数派ではないということです。
JILPTの調査では、2022年時点で50代の割合が40.5%と最も多く、30代・40代は減少傾向、直近では60代以上の割合も大きく増加していました。報告書でも、「キャリアコンサルタントは50代が中心であり、60代以上の増加も著しい」と整理されています。
さらに、年齢・性別の組み合わせでは、「50代女性」「40代女性」「50代男性」「60代男性」の順に多く、この組み合わせで約7割を占めるとされています。
つまり、「50代だから遅い」「60代だから場違い」というより、そもそもこの資格を持って活動している人の中心層そのものがミドルシニアなのです。
では、なぜ「遅いのでは」と感じてしまうのか?
数字だけ見ると、50代・60代が多いのなら安心できそうです。それでも不安になるのは、年齢そのものより、次のような現実があるからだと思います。
実務経験がない
求人を見ると若い世代向けに感じる
ITやオンライン対応に不安がある
今さら新しい分野に入るのが怖い
収益化できるイメージが持てない
この感覚は自然です。実際、調査でもキャリアコンサルタントの高齢化が進む一方で、キャリアコンサルティングの認知度、相談環境の未整備、自分自身の力量などが課題として挙がっていました。
つまり、50代・60代が多いからといって、誰でも自然に活躍できるわけではありません。年齢とデビューしやすさは別問題なのです。
50代・60代だからこその強みは、たしかにあります
一方で、50代・60代だからこそ持てる強みもあります。
報告書でも、キャリアコンサルタントの高齢化について、単純に問題と見るのではなく、企業経験だけでなく、非営利団体、地域、家庭、子育て、介護など、さまざまな領域で社会人経験を積んだ50代以上のキャリアコンサルタントが増えることは問題とならないと述べられています。
これはとても大事な視点です。
50代・60代の方は、たとえば次のような蓄積を持っています。
長年の仕事経験
部下育成やマネジメント経験
転職、異動、役職定年などの経験
家族の介護や両立の経験
人間関係や職場の葛藤を乗り越えた経験
人生後半の働き方を考えてきた経験
親の介護経験
親の看取り経験
こうした経験は、若い世代には出しにくい深みとして、相談の場で価値になります。特に、ミドルシニア支援、再就職支援、役職定年前後の支援、仕事と介護の両立支援などでは、年齢がむしろ強みになることも少なくありません。
ただし、「年齢が高いだけ」では強みになりません
ここは大切なポイントです。50代・60代であること自体は武器になり得ますが、年齢を重ねているだけでは仕事にはつながりません。
強みになるのは、
どんな経験をしてきたのか?
その経験を誰の支援に活かせるのか?
どのような悩みを課題を解決できるのか?
どう言葉にして伝えるのか?
再現性はあるノウハウ(やり方)なのか?
が整理されている場合です。
たとえば、同じ50代でも、
企業内での部下育成経験を活かして働く人
就職・転職支援に強みを持つ人
介護と仕事の両立支援をテーマにする人
セミナーや研修型で活躍する人
顧問やコンサルタントとして活躍する人
では、見せ方も入口も違います。
つまり、「50代・60代だから向いているか」ではなく、「50代・60代としてどんな価値を提供できるか」が問われるのです。
むしろ注意したいのは、「遅い」と思って止まることです
私は、年齢そのものより、「もう遅いのでは?」「もっと準備が必要なのでは?」と思って止まってしまうことの方がずっと大きな問題だと思っています。
なぜなら、止まっている間に、
自信がさらに薄れる
資格取得時の熱意が下がる
更新や費用負担だけが重く感じる
「今さら始めるのも...」という気持ちが強くなる
「失敗したくない...」という気持ちが強くなる
からです。
実際、デビューは50代、60代からでも十分にあり得ます
これも知っておいていただきたい点です。
キャリアコンサルタントとしての活動は、必ずしも20代や30代で始めなければならないものではありません。
私の場合も、CDA資格取得後にしばらく塩漬け状態があり、その後、勉強会や交流会への参加、地区会活動、ボランティア活動などを通じて、47歳で初めて大学生向けのキャリアコンサルティングを経験し、そこから求人応募や紹介がつながり、若年者支援、面談業務、セミナー講師、中小企業向け採用支援などへと仕事が広がっていきました。(キャリアコンサルタントに転身したのは49歳の時でした。)
この流れが示しているのは、若い時から一直線にキャリコン一本で来た人だけが活躍するわけではないということです。
そして、キャリアコンサルタント資格で得た知識やスキルとご自身の経験を掛け合わせて形にしていくことで、キャリコンデビューの道が開けます。
50代・60代から始める人が意識したい3つのこと
では、50代・60代から始める方は、何を意識するとよいのでしょうか。私は、次の3つが大切だと思います。
1.若い人と同じ土俵で勝負しようとしない
年齢を隠そうとしたり、若手と同じ見せ方をしようとすると苦しくなります。それよりも、人生経験や仕事経験が活きるテーマに寄せた方が自然です。
2.自分の経験を「支援価値」に変換する
経験はあるだけでは武器になりません。それを、誰のどんな悩みに役立てられるのかまで言葉にする必要があります。
3.入口を間違えない
いきなり理想の形を狙いすぎると、苦戦しやすくなります。就職、業務委託、ボランティア、副業・複業、セミナー型など、自分に合う入口を選ぶことが大切です。活動開始・再開予定も、副業34.7%、ボランティア32.0%、関連企業・機関への就職・転職28.3%などに分かれており、始め方は一つではありません。
まとめ|遅いかどうかではなく、「どう始めるか」です
50代・60代からキャリコンを始めるのは遅いのか?私の答えは、遅くはない。ただし、始め方の設計は必要です。
実際、キャリアコンサルタントの中心層は50代であり、60代以上も増加しています。ミドルシニアは少数派ではありません。そして、50代・60代だからこそ持てる社会人経験、家庭経験、介護経験、部下育成経験などは、支援の場で十分に価値になります。
一方で、年齢が高いだけで自然に仕事につながるわけでもありません。
大切なのは、(繰り返しになりますが)
どんな経験をしてきたのか?
その経験を誰の支援に活かせるのか?
どのような悩みを課題を解決できるのか?
どう言葉にして伝えるのか?
再現性はあるノウハウ(やり方)なのか?
を整理することです。
「もう遅いのでは」と考え続けるより、今の自分に合う一歩を見つけることの方が、ずっと大切です。
もし今、「年齢が気になって前に進めない」「自分の経験がどう活かせるのか整理できない」「就職・複業・業務委託のどれが合うのか迷っている」という方は、まずは現状整理から始めてみてください。
50代・60代だからこそできるキャリコンの形は、必ずあります。
ご相談はお気軽に!!