もうかれこれ何十年も前、中学生ぐらいの時に出会った本だ。宮部みゆきさんの本はこの本を読む前に、「ブレイブストーリー」を読んでいたが、全然お話の感じが違うのに驚いた印象がある。そしてこの本の最大の特徴は「ミステリーなんだけど、人が一切殺されない、死なない」だと思う。何じゃそりゃ?と思う方もいると思うが、読んでいたたければ、ああなるほどそういう事か!となると思う。
ごく平凡な学生生活を送っていた主人公。ある日突然、その日常が母の知り合いという人からの遺産相続によって壊されてしまう。母とその知り合いとの関係を疑い、出て行ってしまった父、その知り合いはなぜ遺産を主人公達に残していったのか?この謎を主人公とその親友と解き明かしていくのだが、私はこの二人の関係性が好きだ。二人のやりとりが、まるでホームズとワトソンの様で、読んでいてすごく楽しい。そして、読んだあとの爽快感というか何というか、すごく清々しいものが心に残る。これもまた、オススメの作品。
ちなみに、私が読んだものは青い鳥文庫から出でいるもので、読みやすかった。