マドモアゼル愛先生の月理論では、
月は欠損を表し、
全体を通して【悪者】のような印象を受ける。
この世に「悪は付き物」かと思うが、
もっと月には奥深いものがあるように感じる。
例えば、恋をしたとする。
相手にとても憧れて、
相手もこちらを気に入ってくれた。
夢のような初デートは素晴らしかった。
相手は優しく気遣いをしてくれたし、
街も美しく、一つ一つが光って見えた。
ただ月日が経つと、
段々、光が薄れてくる。
お互いに優しかっ態度は、
どこが白々しく、
心に沁みないのだ。
ある時、ふと気が付いてしまう、
私はただ、夢を見ていただけではないのか。
今、夢から醒めようとしているのではないのか。
悲しくも予感は的中し、
別れを迎える。
この人といれば、
あんな夢も、こんなにしたいことも、
叶えられると思っていた。
一緒にいて関係を育んで、
それがどんどん大きくなっていくと信じていた。
だけどそれは夢に過ぎなかった…。
だけど、話はここで終わりではない。
数年後、十数年後でも良い。
あの時見た夢以上の幸せが、
あの時(こうなりたいな)と思った以上の結果が、
現実になっていた。
一緒にいる相手は違うかも知れない。
ただ、あの時見た夢は無駄にはならなかった。
月日を経て、本当になったのだ。
現在、歌われている歌の殆どは、
月から発想を得ていると感じます。
どこか悲しくて、だからこそ叶えたいと願う。
そんな気持ちが込められていると思うのです。
ただ、そこで一度悲しみを味わうからこそ、
人は光に向かおうとするし、
勇気を振り絞って立ち上がり、
本当の暖かさを発揮しようとします。
月は、本当の道へと導く悲しくも優しい星だと思うのです。