最近のべらぼうは見ていてつらいものがある。いままでは吉原育ちの蔦重が店と所帯を持つ人生の「全盛期」であったのに対し、後半は苦境に立たされる場面が多いからだと思う。
NHKべらぼうトップページも、笑顔の蔦重から涙目の蔦重にいつの間にか代わってしまっている。あ~切ない。
恋川春町を最期まで庇った主君
第36回「鸚鵡(おうむ)のけりは鴨」では、恋川春町が腹を切って自害するまでの様子が描かれた。
田沼失脚後に将軍補佐となった松平定信。財政難を立て直すべく、質素倹約を推奨し文武奨励策も強く推し進めた。
飢えて苦しいのは田沼のせいだ、と思い込んでいた庶民も次第に定信の政策に息苦しさを感じるようになる。
そんな時に恋川春町が書いた「鸚鵡返文武二道」が出版され爆売れする。定信の政策を皮肉る本だったため定信は激怒。ついに呼び出しを受け追い詰められた春町が自ら死を選ぶのだ。
史実では春町の死の真相は明らかではなく、今回は創作の部分も多かったと思う。でも春町への愛が感じられるストーリーだったのが救いだった。
特に松平信義(春町の主君)が、「(春町を)当家の自慢」と言い最後まで庇ったのがよかった。
自害の報告に参上した際にも「戯ければ腹を切らねばならぬ世とは一体誰を幸せにするのか。学のない本屋風情には分かりかねる」と(蔦重の言葉として)
訴えた。黄表紙好き、春町好きだった定信。自分が春町を死に追いやったと知り、やり切れぬ思いだったのではないだろうか。
共感しかなかった恋川春町の生き方
不器用で真面目ですぐに拗ねる恋川春町には共感しかなかった。「自分は皆のように戯けることができない」と悩みつつ、屁踊りを披露することで殻を打ち破った。本当は死を選ばず仲間と共に創作活動を続けてほしかった。