日本政策金融公庫の創業融資について、以前のブログでも融資を受けるポイントを書かせてもらいましたが、今回は創業計画書に記載したいアピールポイントということで紹介します。
前回では、融資を受ける際の大きく3つのポイント(自己資金、経験・実績、信用情報)を述べました。
今回は、創業計画書のアピールポイントについて、前回と一部重複する部分もありますが、より具体的にいくつかの観点に分けて、記載したいと思います。
1)自己資金から逆算して融資可能額をアピール
2)実績・経験に裏付けされた事業内容で具体性・実現性をアピール
3)明確かつ納得性の高い資金計画のアピール
4)面談前に創業計画書を自分の言葉でアピール
5)過去の滞納・遅延が無いことを面談時にアピール
1)自己資金から逆算して融資可能額をアピール
2024年度からの新ルールにより、自己資金要件が撤廃され、一定金額(1,000万円)以内であれば、自己資金ゼロで融資可能になりました。
形式的にはそうですが、事業のやる気アピールをするためにも自己資金は必ず用意するようにしてください。
自己資金ゼロでダメなわけでは当然ありませんが、自己資金を用意しないと、本気で事業を創業させる気があるのか、と思われてしまいかねません。
最低でも100万円は用意したいところです。
本当に使う必要はなく、用意だけしておいて、余剰資金・予備資金としてみなしておけばよいのです。
資金計画の際には、必要資金の運転資金の予測として、ギリギリな金額を設定してしまうと後から資金が足りなくなってしまいかねないので、多くはバッファ(少しの余裕枠)をもたせて計画・予測することがほとんどです。
お気づきの方もいるかもしれませんが、そのバッファ分を自己資金と見なしておけば、本当に必要な額をフルローン(全額融資)で賄えますので、テクニックとしておさえておけばよいと考えます。
話を元に戻しますと、じゃあ自己資金はいくらにしておけばよいのか、またその際に融資額はどの程度が妥当なのか、という点について述べます。
融資額をどの程度かというところを逆算で計算するのです。
絶対ではありませんが、妥当なラインでいうと、自己資金の2,3倍程度、結構頑張ることができれば4,5倍程度の融資額が見込めます。
なので、100万円自己資金とするならば、200万円~500万円の融資額となります。
自己資金に余裕がない方は、100万円貯めることを目標に設定してください。その場合は、上述の200万円~500万円の融資が目安となると思います。
※制度上の上限はもっと金額が高く、さらなる融資金額は可能ですが、全員が上限いっぱい借りられるわけではありませんし、現実的なラインとしてお考えください。
自己資金に多少の余裕がある方について、逆算で考えていくのです。
例えば、店舗経営を想定した場合、物件の敷金・礼金や内装工事、事業に必要な機械等、立ち上げ期間の運転資金(※)などがあげられます。
まずは、これらの金額を予測してみましょう。最初の段階はざっくりで構いません。
その金額が例えば、300万円になったとすれば、前述の自己資金2~3倍程度と考えると、100万円の用意で問題無いレベルと判断できます。
じゃあ、1,000万円であれば、自己資金2~3倍でいうと、500万円から333万円が目安となります。
但し、この場合でも自己資金ゼロ要件の金額内ですので、例えば200万円用意することができれば、自己資金5倍の融資額となりますので、ぎりぎり想定内とも言えるので、ご不安にならなくて大丈夫です。
仮に必要融資額から逆算して、自己資金が足りないなと感じた方も諦める必要はないと思います。この場合は以下の対策がとれると思います。
・単純ですが、自己資金を貯める
労働で貯める等をして、目標額まで貯蓄するです。
(注意点なのが、他で借入したり、家族・知人から借りるパターンです。この場合も選択肢としてはありますが、信用情報的にはマイナスと可能性もあり、この選択肢は本テーマでは一旦除外しておいてください。とはいえ、家族からの協力も得られているとみなされる場合もあるため、必ずしもマイナスばかりというわけでもありません。)
・続いてが、必要資金の想定を見直す、修正する
先ほどの想定ではざっくり試算したので、より具体的に削れるところがないかを検討します。
例えば、内装工事であれば、相見積もりなどをとり、より費用を抑えた業者を選定する、必要機材も新品でなく、中古にする、いっそ購入とせずに工夫などで乗り切る、といったところもあろうかと思います。
当然必要融資額が減れば、自己資金も低くなりますので、目標達成できます。
ただ、なんでも節約したがゆえに魅力的な店舗や事業でなくなってしまっては本末転倒ですので、何事もバランスは大事だと思います。
例えとして、節約を意識しすぎて、隣町のスーパーに30分かけて数十円の費用を浮かせても時間単価で考えたら、逆に損(その時間分、バイトした方が得)といったことになりかねます。
・設備資金の内、購入からリースに変更する
設備資金の場合、購入前提となるため、最初にお金の支出が発生してしまいますが、リースの場合は、長期間にわたって料金を支払うことになり、運転資金扱いとなるため、創業時に必要な資金が減らせます。
とはいえ、どんな設備でもリースがあるわけではないのですが、調べてみる価値はあろうかと思いますので、頭の隅に置いておいてもらえると良いと思います。
ちなみに、資金に余裕がある方は、リースへの変更はやめておいたほうがよいです。
理由としては、長期間で見た場合、購入する費用よりもリース料総額の方が高くなることが通常だからです。
リース取引の実態は借入です。購入費用に使用期間の利息金額を加算され、期間案分にて毎月のリース料が計算されます。
創業時にお金が足りないときは便利な選択肢の一つになりますが、資金に余裕がある場合には余計な利息費用がかかっていることと同じになるため、留意が必要です。
長くなってしまったので、それ以降は次の記事で記述したいと思います。