シラーの「歓喜の歌」⑤第四節~メルヘンチックな訳でお楽しみください~

記事
コラム
今回からは、ベートーヴェンの第九の歌詞には採用されなかった部分なので、ちゃんと対訳で紹介しますね。

 Freude heißt die starke Feder
 In der ewigen Natur.
喜びというのはね。脈々と続く自然の中の強力なスプリング装置なんだ。

 Freude, Freude treibt die Räder 
In der großen Weltenuhr.
喜び、その喜びが大きな世界時計の歯車の原動力になっているんだよ。

 Blumen lockt sie aus den Keimen,
 Sonnen aus dem Firmament3,
その喜びが、芽から花を咲かせ、天空から星々を生むんだ。

 Sphären rollt sie in den Räumen,
喜びが宇宙で天球たちを回しているんだね。

 Die des Sehers Rohr nicht kennt.
予言者の筒(望遠鏡みたいな?)は、この喜び(の作用のこと)を知らないんだ。

Chor
Froh, wie seine Sonnen fliegen,
 Durch des Himmels prächtgen Plan,
 Laufet, Brüder, eure Bahn,
 Freudig wie ein Held zum Siegen.
コーラス
天の素晴らしい計画によって、天空の星々が飛んでいくよ、うれしいね。
兄弟たちよ、君らの軌道を進むんだ!
戦いに勝ちに行く英雄みたいにさ!

seine Sonnenが謎。Sonneは太陽という意味ですが、複数形なので星々を意味します。自力で発光する星、みたいなイメージですかね。

ここでは、キリスト教的な神、創造主ではなく、天、「喜びさん」の循環システム、世界時計を指すと解釈する。
八行詩のところにSonnen aus dem Firmament、「天空から星々を生む」という部分があるので、それに関連していると考えたら、天空が生んだ輝く星々が飛んでいく、というイメージの方がしっくりきます。 

軌道を進むのは、星。コーラス部分で「兄弟たちよ」と呼びかけていることから、ここで星々とは、「兄弟たち」を指していたと分かります。

自分の信念をもって生きる人たち、少なくとも一つの魂を「自分の」と言える人のことです。兄弟たちは、天の素晴らしい仕組み、仕掛けによって天空の自分の軌道を進んでいきます。この原動力は「喜び」なのです。

ここの部分は、「喜び」、ガイア的、宇宙的な世界観で統一されているような印象です。

めっちゃ世界観、広がりますよね。なんかワクワクしてきました。

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