条件は完璧なのに心がときめかない──婚活で見失った『本当に欲しいもの』

記事
コラム




初回カウンセリング:「もう、疲れました」


カウンセリングルームに入ってきた彼女は、少し疲れた表情をしていた。ソファに座ると、深く息を吐いた。

クライエント「すみません、ちょっと緊張してて...」

ダイキ「大丈夫ですよ。ゆっくりで構いません。今日はどんなことでお越しになったんですか?」

クライエント「婚活のことで...もう5年くらい続けてるんですけど、最近、本当に疲れてしまって」

彼女は手元のハンカチをぎゅっと握りしめた。

ダイキ「5年...それは長い時間ですね。どんな風に疲れてしまったんでしょう?」

クライエント「何て言うか...頑張ってるつもりなんですけど、全然うまくいかないんです。アプリで知り合った人と会っても、2回目のデートに進めなかったり。進めたとしても、なんかこう...ピンとこないというか」

彼女は言葉を探すように、視線をさまよわせた。

ダイキ「ピンとこない、というのは?」

クライエント「条件的には悪くない人も何人かいたんです。でも、会ってみると『この人と一緒にいたい』って思えなくて。逆に、すごく素敵だなって思った人には選ばれなくて...」

そこまで言って、彼女は少し俯いた。

ダイキ「素敵だなと思った人もいたんですね」

クライエント「はい...でも、その人は結局、別の人を選んだみたいで。私、何か足りないんでしょうか?」

「理想の人」と「選ばれる自分」のギャップ


ダイキ「足りない、と感じているんですね。それは辛いですね」

クライエント「友達には『条件にこだわりすぎてるんじゃない?』って言われるんです。でも、条件を下げるって...それって妥協ってことですよね」

ダイキ「条件って、具体的にはどんなこと を考えていますか?」

クライエント「そうですね...年収とか、職業とか、あとは見た目も...やっぱり、ある程度は大事だと思うんです。結婚したら一生一緒にいるわけだから」

ダイキ「なるほど。では、逆に聞いてもいいですか? その『素敵だな』と思った人のことを、もう少し詳しく教えてもらえますか?」

彼女は少し考えてから、ゆっくりと話し始めた。

クライエント「その人は...話していて楽しかったんです。笑顔が素敵で、私の話もちゃんと聞いてくれて。一緒にいると、なんか安心できるような...」

ダイキ「それは、条件の中にありましたか?」

クライエント「...」

しばらく沈黙が流れた。彼女は何かに気づいたような表情をしたが、すぐに首を振った。

クライエント「でも、現実的に考えないといけないじゃないですか。感情だけで決められないし」

ダイキ「感情だけで決められない。そう思うのはどうしてでしょう?」

クライエント「だって...周りの人もそう言うし、実際、生活していくにはお金も必要だし。私ももう若くないから、冷静に判断しないと」

頭で考える恋愛、心で感じる恋愛


ダイキ「冷静に判断、ですか。今まで、その冷静な判断でうまくいきましたか?」

彼女はハッとした表情になった。

クライエント「...いえ、うまくいってないから、ここにいるんですけど」

ダイキ「そうですよね。5年間、頑張ってこられたのに、なぜうまくいかないんだと思いますか?」

クライエント「それが分からないから、困ってるんです...」

彼女の声が少し震えた。

ダイキ「分からなくて当然だと思います。恋愛って、頭で考えているとおりにはいかないことが多いんです」

クライエント「でも、ちゃんと考えないと失敗しますよね?」

ダイキ「考えることも大事です。でも、恋愛には『考える部分』と『感じる部分』の両方があるんです。実は、脳科学の研究で分かってきたことがあって...」

彼女は少し身を乗り出した。

ダイキ「人が誰かに恋をすると、脳の中では複数の神経伝達物質が活発に働くんです。その一つがドーパミンという物質で、これは『報酬』や『快感』に関係しています。好きな人に会えると嬉しいとか、一緒にいたいと思うのは、このドーパミンの働きなんです」

クライエント「へえ...それって、理性とは別なんですか?」

ダイキ「そうなんです。どれだけ頭で『この人は条件が合わない』と思っても、心がときめいてしまうことがある。逆に、『条件は完璧』と思っても、ときめかないこともある。それは、脳の違う部分が働いているからなんです」

彼女は少し考え込んだ。

クライエント「じゃあ、私が条件ばかり気にしていたのは...間違いだったんでしょうか」

ダイキ「間違いではないと思います。ただ、もしかしたら、頭で考える部分に偏りすぎて、心で感じる部分を見失っていたのかもしれませんね」

婚活という「市場」の中で失われるもの


クライエント「でも、婚活って、どうしても条件で見られるじゃないですか。プロフィールに年齢も年収も全部書いてあって。そこで選ばれないと、会うこともできないんです」

ダイキ「確かに、婚活の仕組みはそうなっていますね。でも、それでずっと疲れてきたんじゃないですか?」

クライエント「......そうかもしれません」

彼女は深くため息をついた。

ダイキ「婚活って、言ってみれば『市場』みたいなものなんです。お互いが条件を提示して、マッチングする。でも、本来の恋愛って、もっと自然な流れの中で生まれるものだったんです」

クライエント「自然な流れ...」

ダイキ「例えば、職場で一緒に働いているうちに気が合うことに気づいたり、趣味の集まりで何度も顔を合わせるうちに親しくなったり。そういう関係の中では、条件よりも『この人と一緒にいて楽しいか』『信頼できるか』が大事になってくるんです」

クライエント「でも、職場には出会いがないし、趣味の集まりにも...なかなか時間が取れなくて」

ダイキ「だから婚活を選んだんですね」

クライエント「はい。でも、婚活を続けていると、なんだか自分が『商品』みたいに感じてしまって...」

彼女の目に涙が浮かんだ。

ダイキ「商品みたいに、ですか」

クライエント「条件で値踏みされて、選ばれなかったら『価値がない』って言われてる気がして。本当は、もっと自分を見てほしいのに」

「選ばれる」ことへの執着


ダイキ「自分を見てほしい。それは、どういう部分を見てほしいんでしょう?」

クライエント「それは...」

彼女は言葉に詰まった。しばらく考えてから、小さな声で答えた。

クライエント「自分でもよく分からないんです。何を見てほしいのか...」

ダイキ「分からないまま、婚活を続けてきたんですね」

クライエント「...はい」

ダイキ「一つ聞いてもいいですか? 婚活を始めたきっかけは何だったんですか?」

クライエント「きっかけ...ですか。そうですね、友達が次々と結婚していって、私だけ取り残されたような気がして。周りからも『まだ結婚しないの?』って言われることが増えて。このままじゃいけないって思ったんです」

ダイキ「このままじゃいけない、と」

クライエント「はい。女性には年齢のタイムリミットもあるし、早く決めないとって」

ダイキ「それは、自分が『結婚したい』と思ったからですか? それとも、『結婚しないといけない』と思ったからですか?」

彼女はハッとした表情で、ダイキを見た。

クライエント「それは...どっちなんでしょう」

長い沈黙が流れた。時計の秒針の音だけが、静かな部屋に響いていた。

クライエント「もしかしたら...『しないといけない』の方だったかもしれません」

そう言って、彼女は顔を両手で覆った。

「普通の幸せ」という呪縛


ダイキ「辛かったですね」

クライエント「ずっと、普通に結婚して、普通に家庭を持って、って思ってたんです。周りの人もそうしてるし、それが幸せだって。でも、その『普通』が手に入らなくて...」

ダイキ「その『普通の幸せ』って、本当に自分が望んでいるものなんでしょうか?」

クライエント「え...?」

ダイキ「もしかしたら、周りの人が望む幸せと、自分が本当に望む幸せは、違うのかもしれません」

クライエント「でも、結婚するのは普通のことじゃないですか」

ダイキ「確かに、多くの人が結婚を選びます。でも、全ての人が結婚で幸せになるわけじゃないんです。大事なのは、自分が本当に何を望んでいるのかを知ることだと思います」

彼女は黙って、ダイキの言葉を聞いていた。

ダイキ「5年間、婚活を頑張ってこられた。でも、どこか違和感があったんじゃないですか?」

クライエント「......あったかもしれません。条件の合う人を探しているつもりが、どこか義務みたいになっていて。本当にこの人と一緒にいたいのか、自分でも分からなくなっていました」

ダイキ「その違和感は、とても大切なサインだと思います」

「結婚=ゴール」という思い込み


ダイキ「少し昔のことを聞いてもいいですか? 子どもの頃、結婚についてどんなイメージを持っていましたか?」

クライエント「子どもの頃...ですか」

彼女は少し遠い目をした。

クライエント「母が、よく『女の幸せは結婚よ』って言ってました。母自身、専業主婦で、父を支えて家庭を守ることに誇りを持っていたみたいで。私も、いつかそうなるんだろうなって、漠然と思ってました」

ダイキ「お母さんの価値観が、強く影響していたんですね」

クライエント「そうですね...でも、私は仕事も頑張りたかったし、母みたいに専業主婦になるイメージはなかったんです。それでも、結婚はするものだって、ずっと思ってました」

ダイキ「結婚はするもの、と」

クライエント「はい。だから、30代になっても結婚できていない自分が、何かを失敗したような気がして...」

ダイキ「失敗、ですか」

クライエント「周りは結婚して子どももいて。私だけ、人生のレールから外れたような...そんな焦りがずっとあったんです」

彼女の声が震えていた。

ダイキ「その焦りを抱えながら、5年間婚活を続けてきたんですね」

クライエント「はい...でも、焦れば焦るほど、うまくいかなくて」

恋愛感情の「本能」と「理性」


ダイキ「実は、焦りながら婚活をすると、うまくいかないことが多いんです」

クライエント「そうなんですか?」

ダイキ「人の恋愛感情って、実は本能的な部分が大きいんです。さっきドーパミンの話をしましたけど、恋愛には他にも色々なホルモンが関わっているんです」

クライエント「ホルモン...ですか」

ダイキ「例えば、誰かに惹かれるとき、相手の『遺伝子的な相性』を無意識に感じ取っているという研究があります。匂いとか、声のトーンとか、そういう無意識の情報で、『この人と一緒にいたい』と感じるんです」

クライエント「無意識に...」

ダイキ「そうなんです。だから、どれだけ頭で『条件が完璧』と思っても、心がときめかないことがある。逆に、条件は合わないはずなのに、なぜか惹かれてしまうこともある」

彼女は少し考え込んだ。

クライエント「じゃあ、私が『素敵だな』と思った人は、無意識に相性が良かったのかもしれないんですか?」

ダイキ「可能性はありますね。でも、相手があなたを選ばなかったのは、相手の側に何か理由があったのかもしれません。それは、あなたの価値とは関係ないんです」

クライエント「私の価値とは関係ない...」

ダイキ「そうです。恋愛は、お互いの『相性』の問題であって、『価値』の問題じゃないんです。でも、婚活をしていると、どうしても『選ばれなかった=価値がない』と感じてしまいやすい」

彼女は深くうなずいた。

クライエント「確かに...そう感じていました。選ばれないたびに、自分に何か欠陥があるんじゃないかって」

疲弊と自己否定


ダイキ「今、どんな気持ちですか?」

クライエント「正直、もう疲れました。婚活を続ける気力もないし、でも辞めたら本当に一人になってしまうような気がして...」

ダイキ「辞めたら一人になる、と感じているんですね」

クライエント「はい。結婚できなかったら、一生孤独なんじゃないかって」

ダイキ「一生孤独...それは怖いですか?」

クライエント「...怖いです。年を取って、誰も支えてくれる人がいなくなったら。一人で病院に行って、一人で死んでいくのかなって」

彼女の目に、また涙が浮かんだ。

ダイキ「その恐怖を抱えながら、必死に婚活を続けてきたんですね」

クライエント「はい...でも、もう限界なんです。こんなに頑張っても報われないなら、何のために生きてるのか分からなくなって」

ダイキ「生きる意味が分からなくなるほど、辛かったんですね」

クライエント「...はい」

彼女は静かに泣いた。ダイキは何も言わず、ただ静かに待った。

しばらくして、彼女は涙を拭いて顔を上げた。

クライエント「すみません、取り乱してしまって」

ダイキ「いえ、謝らなくていいですよ。辛い気持ちを我慢する必要はありません」

「結婚」ではなく「つながり」を求めていた


ダイキ「一つ聞いてもいいですか? 結婚したら、その孤独は消えると思いますか?」

クライエント「え...?」

ダイキ「結婚すれば、本当に孤独ではなくなるんでしょうか」

彼女は言葉に詰まった。

クライエント「それは...どういう意味ですか?」

ダイキ「結婚しても、心が通じ合わなければ、孤独を感じることがあるんです。逆に、結婚していなくても、信頼できる友人や家族がいれば、孤独ではないこともある」

クライエント「......」

ダイキ「もしかしたら、あなたが本当に求めているのは『結婚』という形ではなくて、『誰かとのつながり』なのかもしれません」

彼女はハッとした表情で、ダイキを見た。

クライエント「つながり...」

ダイキ「そうです。安心できる関係。信頼できる人。心を開ける相手。それは、必ずしも結婚という形でなくても得られるものなんです」

クライエント「でも、結婚しないと...」

ダイキ「結婚が悪いと言っているわけじゃないんです。ただ、『結婚しないといけない』という義務感で婚活を続けても、本当に欲しいものは手に入らないんじゃないかと思うんです」

彼女は深く考え込んだ。長い沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。

クライエント「もしかしたら、私...結婚することが目的になっていて、誰と結婚するかは二の次だったのかもしれません」

ダイキ「それに気づけたことは、とても大きいと思います」

クライエント「でも、じゃあ私は今まで何をしてきたんでしょう。5年間も...」

ダイキ「無駄だったとは思いません。この5年間で、あなたは色々なことを経験して、自分と向き合う機会を得たんです。今日、こうして気づけたのも、この5年間があったからだと思います」

「選ぶ」ことと「選ばれる」ことの違い


クライエント「でも、結局、私は選ばれなかったんです。どんなに頑張っても」

ダイキ「『選ばれる』ことに、すごくこだわっていますね」

クライエント「...そうですね。選ばれないと、先に進めないから」

ダイキ「でも、選ぶ権利は、あなたにもあるんですよ」

クライエント「え?」

ダイキ「婚活では、相手に選ばれることばかり考えがちですけど、本当は自分も相手を選んでいいんです。『この人と一緒にいたいか』『この人といて幸せか』、それを判断する権利は、あなたにもあるんです」

クライエント「でも、選べるほど選択肢がないというか...」

ダイキ「それは、本当にそうでしょうか? もしかしたら、選ばれることに必死で、自分が選ぶことを忘れていたんじゃないですか?」

彼女は何も言えなかった。

ダイキ「例えば、『条件は合うけどピンとこない』と言っていた人たち。あなたは、その人たちを選ばなかったんです。それは、あなたの判断なんです」

クライエント「...そう言われると、確かにそうですね」

ダイキ「だから、選ばれなかったことを嘆くのではなく、自分は何を選びたいのかを考える方が大事だと思うんです」

クライエント「自分が何を選びたいか...」

新しい視点


ダイキ「今日の話を聞いて、どう感じましたか?」

クライエント「正直、混乱しています。でも、少し楽になった気もします」

ダイキ「混乱するのは当然だと思います。これまでの価値観が揺らいでいるわけですから」

クライエント「じゃあ、私はこれからどうすればいいんでしょう」

ダイキ「それは、あなた自身が決めることです。婚活を続けてもいいし、一旦休んでもいい。大事なのは、『しないといけない』という義務感ではなく、『こうしたい』という自分の気持ちに従うことだと思います」

クライエント「自分の気持ち...」

彼女は少し考えてから、小さく笑った。

クライエント「自分の気持ちが何なのか、よく分からなくなっていました。条件とか、周りの目とか、そういうのばかり気にしていて」

ダイキ「それを取り戻すことが、最初の一歩かもしれませんね」

クライエント「取り戻す...ですか」

ダイキ「そうです。本当に自分が何を望んでいるのか。どんな人と一緒にいたいのか。それを、もう一度感じてみることです」

クライエント「どうやって感じればいいんでしょう」

ダイキ「例えば、条件抜きで考えてみるんです。年収も職業も見た目も関係なく、ただ『この人と一緒にいて心地いいか』『信頼できるか』『楽しいか』。そういう感覚を大事にしてみる」

クライエント「感覚...ですか」

ダイキ「そうです。恋愛は、結局のところ感情なんです。どれだけ頭で考えても、心がときめかなければ続かない。逆に、条件は合わなくても、心が通じ合えば幸せになれることもある」

「完璧」を手放す


クライエント「でも、感情だけで決めて、後で後悔したら...」

ダイキ「後悔するかもしれないし、しないかもしれない。それは誰にも分かりません。でも、完璧な選択なんてないんです」

クライエント「完璧な選択はない...」

ダイキ「そうです。人生に『絶対に正しい選択』なんてないんです。どの道を選んでも、良いこともあれば悪いこともある。大事なのは、自分の選択に納得できるかどうかです」

彼女は深くうなずいた。

クライエント「私、ずっと『完璧な人』を探していた気がします。年収も性格も見た目も、全部が理想通りの人」

ダイキ「完璧な人はいません。誰もが欠点を持っているし、誰もが迷いながら生きているんです」

クライエント「...そうですよね。私だって完璧じゃないのに、相手には完璧を求めていたかもしれません」

ダイキ「それに気づけたことは、大きな一歩だと思います」

「婚活を休む」という選択


数週間後、彼女は再びカウンセリングルームを訪れた。前回よりも、表情が明るかった。

クライエント「前回の話の後、色々考えたんです」

ダイキ「どんなことを考えましたか?」

クライエント「婚活、一旦休むことにしました」

ダイキ「そうですか。それは、どういう理由で?」

クライエント「正直、疲れてしまって。それに、義務感で続けても意味がないなって思ったんです。もっと自分のことを知りたいし、本当に何を望んでいるのか、ゆっくり考えたくて」

ダイキ「それは素晴らしい決断だと思います」

クライエント「でも、休んだら本当に結婚できなくなるんじゃないかって、怖い気持ちもあります」

ダイキ「その怖さは、どこから来るんでしょう」

クライエント「年齢のこともあるし...でも、今のまま続けても、きっと同じことの繰り返しだって分かってるんです」

ダイキ「自分の気持ちに気づいたんですね」

クライエント「はい。それに、婚活を休んだからって、人生が終わるわけじゃないですよね」

ダイキ「その通りです」

クライエント「友達と会う時間も作りたいし、前から興味があった習い事も始めてみようかなって。そういう中で、自然に出会いがあればいいなって思います」

ダイキ「それは、とてもいいアプローチだと思います。自分が楽しいと思えることをしていると、自然と人とのつながりも生まれやすくなりますから」

新しい一歩


クライエント「あの、一つ聞いてもいいですか?」

ダイキ「はい、なんでしょう」

クライエント「私、結婚できるんでしょうか」

ダイキ「それは、誰にも分かりません。でも、大事なのは『結婚すること』ではなく、『幸せになること』じゃないですか?」

クライエント「幸せになること...」

ダイキ「そうです。結婚は幸せになるための一つの手段であって、目的ではないんです。まずは、自分が何を望んでいるのか、どうすれば幸せを感じられるのか、それを見つけることが大事だと思います」

クライエント「そうですね...ありがとうございます。少し、前向きになれた気がします」

ダイキ「焦らず、ゆっくり進んでいってください。自分のペースで大丈夫ですから」

彼女は笑顔でカウンセリングルームを後にした。その背中は、以前よりも軽やかに見えた。

カウンセラーの視点


このケースで印象的だったのは、クライエントが「結婚」を目的化してしまい、本来の「つながりを求める気持ち」を見失っていたことです。

婚活という仕組みは効率的ですが、同時に「条件で人を判断する」という側面も強く、本能的な恋愛感情を軽視しがちです。脳科学の研究では、恋愛にはドーパミンやオキシトシンといった神経伝達物質が深く関わっており、これらは理性的な判断とは別のメカニズムで働きます。

つまり、「頭で考えた理想の相手」と「心がときめく相手」は、必ずしも一致しないのです。

また、彼女が抱えていた「選ばれない=価値がない」という思い込みは、多くの婚活中の方が陥りやすい罠です。恋愛は相性の問題であり、個人の価値とは関係ありません。しかし、婚活市場では「選ばれる/選ばれない」という構図が強調されるため、自己肯定感が傷つきやすくなります。

大切なのは、「選ばれること」ではなく「自分が何を選びたいか」を知ることです。自分の価値観を明確にし、本当に求めているものを理解することで、婚活の在り方も変わってくるはずです。

おわりに


婚活で疲弊している方へ。

もし今、「頑張っても報われない」と感じているなら、一度立ち止まって自分の気持ちを確かめてみてください。

「結婚しないといけない」という義務感ではなく、「こういう関係を築きたい」という自分の願いに耳を傾けてみてください。

完璧な相手も、完璧な選択もありません。でも、自分の気持ちに正直に生きることは、いつでもできます。

焦らず、自分のペースで。あなたの人生は、あなたのものです。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら