「菓子舞う青空」

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【菓子巻き大会】





6歳の時
2月3日の日曜日に
当時住んでた三郷団地で
節分の豆まき大会が行われた。

でも豆まきの豆は
豆じゃなくてお菓子を巻き
それをみんなで取るらしい。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

その事を数日前に聞かされた俺は
絶対に行きたくてしょうがなくなり
父親に「必ずつれってって!」と
約束させた。

この時3歳だった弟も
このお菓子まきの事を聞いて
凄く喜んで飛び跳ねてる。
*゚。+(n´v`n)+。゚* ワーィ♪

我々兄弟の頭の中は
もうディズニー映画の
空からお菓子が降ってくる
夢の世界の妄想が暴走してた。

そして我々兄弟は
毎日食事のとき父親と母親に
「お菓子まき絶対連れってて」と
耳にタコが出来る位言い続けた。

そして当日俺と弟は
お菓子まきに行くのが楽しみで
父親と母親より早起きし
行く支度を終わらせた。


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【菓子巻き会場】





その後父親と母親が起きてくると
俺と弟が既に着替えて
行く準備万端の姿に驚いた!
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ

その姿を見た母親が
何だか言い難そうな顔をして
「お菓子まき午後からなの」と
我々に伝えた。

しかし我々は
午後からと聞いても何とも思わず
そのまま興奮冷めやないまま
早く行きたくてしょうがなかった。

そして開催時刻の午後3時前
父親と母親と一緒に会場に行くと
かなり人が集まってて
大混雑状態だった。

俺と弟の周りには
大人達がたくさんいて
会場がどうなってるか見えない。
|ω・`)ショボーン

なので俺は
「お菓子投げる場所見たい!」と
父親に伝えたら肩車をしてくれて
周りが大人だらけなのが見えた。

そして前方にある商店街の1階に
お菓子の段ボールらしき物が
たくさん積み重なってるのが見え
あの箱におかしがあると確信した!


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【嬉しい痛み】





弟も母親に肩車してもらい
母親からスーパーの袋を渡され
「これを広げてお菓子入れなさい」
そう伝えられた。

なので我々は
スーパーの服をを広げて準備をし
「この中にいっぱい入れよう!」と
弟と話して約束した。
((o(*´∀`*)o))ワクワク♪

お菓子まきが始まる前
三郷市長の挨拶と注意があり
「地面に子供がいるのでその場から
絶対動かない様に」と指示される。

市長のあいさつの後
お相撲さんが数名出てきて
初めてみるお相撲さんの巨大さに
凄くビックリしてしまった!

そしてお相撲さんが
箱からお菓子を取り出し
「鬼わーそと」「福わーうち」と
マイクに向かって声を張り上げた!

するとお菓子が
空から大量に降って来て
もう顔や体にたくさん当たって
痛いし嬉しいし夢心地だった。

この時俺と弟は
痛いのなんて全く感じる事も無く
必死に左右に袋を振りながら
お菓子を中に入れて大歓喜した!
Σ(゚∀゚ノ)ノキャー


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【地面のお菓子】





しばらくお菓子を取ってると
袋の中にあまりお菓子が溜まらず
もっとたくさん取れる方法を
色々試行錯誤してみた。

すると1番お菓子が取れる方法は
袋を左右に振らずそのまま広げ
降ってくるお菓子を待つのが
1番たくさんお菓子が入ってく。

その事を弟に伝えて
俺と同じ袋を広げたままにさせ
お菓子をたくさん入れて行った。

でも我々が夢見てた
袋の中にお菓子いっぱいが
このお菓子の溜まり方じゃ
達成できそうにない気がしてきた。

すると弟が
「下にいっぱいお菓子落ちてる!」
そう言って肩車から降りて
地面のお菓子を拾い始めた!

しかし俺は
地面のお菓子を拾うと
お菓子まきが楽しめない気がして
降ってくる方のお菓子を集めた。
(´∀`*)ウフフ

降ってくるお菓子の中で
体に当たった時1番痛かったのは
板チョコがの角が当たる時だった。
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ


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【夢と現実】





この時俺は
板チョコが当たっても
アドレナリン全開だったので
全然痛みが感じずに取り続けた。

そしてお菓子まきが終わり
袋の中のお菓子を見てみたら
いっぱいまでお菓子が詰まってて
もう嬉しくてしょうがない。
ヾ(*´∀`*)ノ

肩車から降りた俺は
父親と母親の姿を見てみたら
髪の毛もボサボサで服もよれよれで
拷問が終わった感じだった。

そんな姿を見ても俺は
お菓子の事で頭がいっぱいだから
全く気にする事なく
弟とお菓子の量比べをした。

すると弟の方が
若干お菓子の量が多くて
地面のお菓子を取った弟が
とてもうらやましく思える。

その後家に到着すると
スグ母親にお菓子を取り上げられ
「お母さんがしまっとくね」
そう言われてしまった。

この時「今全部食べたい!」と
母親に言ったけど聞き入れてくれず
お菓子をお腹いっぱい食べられる
夢の国の話通りにならなかった。
(´;ω;`)シクシク

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