「高級な音楽」

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【付録】





7歳の時
子供用雑誌についている
ペラペラのレコードを聴いていた。

このレコードは
ソノシートと言い
ペラペラの厚手のビニールで出来た
レコードだった。

このソノシートを
紙で出来た付録の再生機を作って
その上で再生してた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

この再生器は
レコード針の柄の部分も紙で
先端の針の部分だけ
金属で出来てる。

この針をソノシートの上に乗せて
真ん中にあるダイヤルを
手で回して動かす物だった。
(´・д・`)ショボーン

スピーカーは
1個付いてたけど
これすら厚紙で出来ていた。

このスピーカーは
針がある場所の近く設置し
出る音を薄い紙を振動させて
拡声器みたいに音を大きくして出す。


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【ターンテーブル】





俺は
ソノシートの付録があると
この再生機を作って
手で回して音楽を聴いていた。

しかし
こんな紙の再生機だと
あまり音が聞こえず
アニメソングが楽しめない。

でも当時の俺の家には
レコードを再生る専用の
ターンテーブルが無いので
付録の再生機を使うしかない。

ターンテーブルで
ソノシートを聴きたかった俺は
何度も母親にわがままを言い
買ってくれるように頼んでみた。

でも母親は
値段が高いし音楽聞く習慣ないし
全然買う気が無いようだった。
ショボ──(´・ω・`)──ン

仕方ないので俺は
父親にターンテーブルが欲しいと
しつこくねだってみた。
|ョ・Д・*)。oO(ホシィ)

すると父親は
歌手の「江利チエミ」が
大好きだったようで
購入に前向きになってくれた。


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【折半】





父親の仕事場には
赤いターンテーブルがあり
江利チエミのレコードを聴いて
いつも仕事をしてた。

しかしそのターンテーブルは
社長が買ってくれた物で
我が家に持って来る事が出来ない。

なので父親も
我が家で江利チエミが聞きたくて
母親に購入を頼んでくれた。
(*・д人)オネガイ

でもターンテーブルの値段は
5万円位する物で
凄く高価な物だった。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ

すると父親が
自分のお小遣いを貯めた貯金で
半額出すから買って欲しいと
母親に言ってみた。

その事を聴いた母親は
「そこまで欲しいなら
お金半分づつ出して買いましょ」
そう言ってくれた!

それから数日後
父親がターンテーブルと
スピーカーのセットを
買って来てくれた!


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【好きな音楽】





俺は
早速ターンテーブルで
ソノシートのアニメソングを再生し
音楽を満喫してしまった。

その音は
付録の再生器より全然良い音で
何度も何度も聴いていた。
(´∀`*)ウフフ

仕事から戻った父親は
江利チエミの「テネシーワルツ」で
気分上々になってる。

しかし母親は
音楽を聴かないので
自分のレコードを持ってなく
いつもつまんない顔をしてた。

そこで母親に俺は
「何かレコード勝ってくれば?」
そう言ってみた。

すると母親は
「特に聞きたい音楽ないし
買うものが無いのよ」
そう返事をした。

でも母親は
自分だけレコードが無いのが
気分良くないみたいだった。
(゚⊿゚)ムム


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【オーケストラ】





数日後母親は
我々だけ好きな音楽があるのが
うらやましかったようで
自分のレコードを買ってきた!

そのレコードは
ベートーベンの「運命」と言う
大型のLPレコードだった。

しかし学校でこの曲は
ベートーベンが死ぬ間際に作り
死神が近づいてくる情景を
表現した音楽と教えられてた。

なので俺は
この曲が怖くて大っ嫌いで
とてつもなく聴きたくなかった。
オロ((ヾ(*'д';*)ノシ))オロ

しかし母親は
自分で買ってきたレコードなので
毎朝この運命という曲をかけ
俺の爽やかな朝に地獄を味あわせる。

そこで俺は
「何で朝にこの曲かけるの?」
そう問いただしてみた。
ヽ(#`д´#)ノ

すると母親が
「朝にオーケストラ聴くのは
贅沢な気分でしょ」と言い
俺の気持ちを解ってくれなかった。

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