科学技術「豚から人へ」

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【豚の心臓移植】





心臓疾患を持つ人の体内に
世界で初めて豚の心臓が
移植されました。

豚の心臓を移植された人は
メリーランド州で
便利屋を営む「ベネット氏」57歳。


この方が
今年1月7日に移植手術を受け
現在まだ生きてます。

ベネット氏は
安全の為に人工心肺に繋がれて
心臓に異変が起きても
大丈夫な状態になってます。

今までにも
豚の心臓の中の弁が移植される
大手術がありました。

でも今回は
その大手術を上回る
豚の心臓丸々移植する
超大手術が行われたのです。

しかし普通
種族を超えた臓器移植は
凄い拒絶反応を起こし
間違いなく死んでしまいます。


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【免疫システム】





人間に心臓移植をした豚は
遺伝子操作され
人に内臓を移植しても
免疫に狙われ難くしてあります。

人間の免疫システムが狙う標的は
糖類を作る遺伝子2つと
心臓を成長させる遺伝子2つです。

免疫システムは
移植された臓器の中にある
この遺伝子を外的と判断してしまい
強く攻撃してきます。

この事を解決する為に
6つの人間の遺伝子を
生まれたての豚に組み込んで
成長させました。

こうする事により
この豚の臓器を人間に移植しても
糖類と心臓を成長させる遺伝子を
攻撃されずに済みます。

攻撃されない仕組みは
豚の心臓の糖類と
心臓を成長させる遺伝子を
目立たなくさせてしまうのです。

こうする事で免疫システムは
攻撃対象を見失い
移植された豚の心臓を
攻撃しなくなるのです。


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【順番】





当時
豚の心臓を移植されたベネット氏は
いつ死んでもおかしくない
危険な状態でした。

ベネット氏は
重度の心臓疾患を抱えてて
心臓移植でしか助からないと
判断されてました。

しかしベネット氏に
心臓移植の順番が来る可能性は
ほぼ0%の状態。

それは
定期検診を拒否したり
薬を飲む事をさぼったりしたから
医師から信頼を無くしていました。

その為
人間的に「予測不能な患者」とされ
心臓移植の順番を
思いっきり下げられたのです。

現在アメリカでは
12万人が心臓の移植手術の
順番を待っています。

でも
年間6000人が間に合わず
心臓移植が出来ないまま
死んでしまってます。


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【実験台】





研究者たちは
そんなベネット氏に着目し
豚の心臓を移植する
実験台にならないか提案しました。

メリーランド州の法律では
治療する事が困難な場合
開発中の手術方法を行って良いと
許可しているのです。

その為ベネット氏は
この実験台になる事を
承諾して手術しました。

そして去年の大晦日に
州の食品医薬品局が許可を出し
今年1月7日に手術しました。

現在ベネットさんは
人工心肺に接続されてますが
血液循環は豚の心臓が行ってて
拒絶反応も起きてません。

しかしこの遺伝子組み換えは
初期の拒絶反応を無くす物で
今後拒絶反応が出ない保証が
全くありません。

今後数週間が山場となり
この山場を乗り切れば
豚の心臓を自分の心臓にでき
安定して生きられるでしょう。


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【不老不死】





人間以外の動物から
体の一部を移植する試みは
昔から行われてきました。

19世紀には
酷い火傷した人間の皮膚に
蛙の皮膚はがして張ると
治りが速くなる事を知ってました。

酷い火傷の時
他の動物の皮膚を張る治療は
凄く効果があり
魚や豚の皮膚でも効果絶大です。

しかし
他の動物からの内蔵移植は
研究が難航してました。

1963年にチンパンジーの肝臓を
11人に移植しましたが
10人がすぐ死んでしまい
残る1人が9か月後に死亡しました。

1984年に生後12日の赤ちゃんに
チンパンジーの心臓を
まるごと移植しましたが
20日後に死んでしまいました。

今回この豚の心臓移植が成功すれば
医療に大革命が起き
年老いた臓器を変え続ければ
不老不死も可能という事です。

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