シナリオライターの執筆環境を公開します

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コラム
はじめまして。
丹生壬月と申します。
フリーのシナリオライターを専業で行っており、何とか文筆業だけで生計を維持することができております。
あとは小説執筆が趣味で、小説投稿サイトにオリジナルの小説を投稿なんかもしてますね。

さて、昨年の3月から本格的にココナラでシナリオ制作のお仕事を始めたんですが、ありがたいことに現在(2023年3月)までに225件も購入していただくことができました。
出品中のサービスは以下になります。

また、ココナラ以外のクラウドソーシングサイトやSNSでもシナリオ作成の依頼をお引き受けしていますので、これまで作成したシナリオは大小合わせて1000件を超えているんじゃないですかね。
実際にカウントしたことはないので、あくまで体感ですが、そのくらいは書いてるって胸を張れる程度には毎日PCとにらめっこして、面白いシナリオを書けるように試行錯誤を繰り返しています。

これほど安定的にシナリオの依頼をいただけるのは、ひとえに私が執筆するシナリオにご満足いただき、何度も追加でご依頼いただけるリピーターの皆さまのおかげ。
ご期待に応えられるよう、シナリオライターとしての能力を研鑽していく所存でございます。

とまあ、前置きと堅苦しい挨拶はこれまでにして。
さっそく本題のほうを。

こちらのブログでは日々の執筆で感じたことや、私と同じようにシナリオや小説といった物語を書いていらっしゃる方、はたまた、これから何か書いてみようと思うけど、どうやって書いたらいいかわかんないんだよ! という方に向けて、有益な情報を提供できればなと思っています。
あまりこまめに日記をつける性分ではありませんから、このブログをいつまで更新していくかははなはだ不透明なところですが、今回はタイトルにもあるように私の執筆環境についてお話ししたいと思います。
執筆環境といってもいろいろあるんですが、具体的には執筆するときにどういったツールを使っているかというお話です。

これまでいろいろな執筆ツールに手を出してきました。
自分に最も適した最強の執筆ツールはなんなのか……
きっとどこかにまだ見ぬ素晴らしい執筆ツールが存在しているに違いない。
そんな幻想を抱いてはネットの情報を漁って、新しいツールを試してみる非生産的な日々。
そんなことに時間を使ってるならさっさとシナリオを書けと偉い人から怒られそうですが、ツールのことが気になってやめられない……
ある時期は本当にそんな毎日を送っていましたね。
我ながらよくもまあ、あんなにツールを試したものだと思います。
ただまあ、同じように文筆業をされている方々の中には、少なからず私と同じような経験をされた人は多いんじゃないんですかね。

そして、今同じようにツールの沼に片足を突っ込んでいる人や、沼に引き寄せられている人に向けてお伝えしますが、「最適なツールを探す」なんて時間のムダです。
もう一度いいますが、「あなたのニーズをあれもこれも満たしてくれるような最高の執筆ツール」なんて存在しません。
要は適材適所です。

私がこれまで試してきた主な執筆ツールの変遷は以下の通り。

「Word」に代表されるようなダウンロードして使うタイプのワードプロセッサソフト。
ワードプロセッサとは、文章の執筆だけでなく、文字に色をつけたり、段組みなどのレイアウトを編集できるソフトのことを指しています。

次に「Googleドキュメント」や「Evernote」「Simplenote」といったクラウドで操作するタイプの文章作成サービス。

そして最終的に行き着いたのが、「秀丸」「Mery」といったテキストエディタ。

テキストエディタとはただひたすらに文字の入力だけに特化したツールです。
そのため、数万文字におよぶ大きなサイズの文章であっても一瞬で表示可能ですし、作業しているときも文字入力がもたつくことはありません。
「Word」や「Googleドキュメント」などはファイルサイズが大きくなってくると、文字入力中に微妙なラグが発生してくるんですよね。
執筆にはデスクトップのゲーミングPCを使っていますから、ラグといっても微々たるものなんですが、このラグがあるのとないとでは、文章入力に伴うストレスが段違いです。

文字入力にパラメーターを全振りしたテキストエディタには他にも執筆に役立つ機能がてんこ盛り。
文字数カウントや、行番号を表示したり、さらには一行あたりに表示する文字数をこちらで指定したりもできちゃいます。

中でも個人的に気に入っているのは、シンタックスハイライトといって特定の単語や文字を自動で色分け表示してくれる機能です。
これがあれば、シナリオに登場するキャラクターのうち、例えば男性の名前を青で表示する、女性の名前を赤で表示するといったことが自動で行えるようになります。
執筆中は数千から数万もの文字を一気に入力していくことになりますので、変換をミスってなぜか途中でキャラクターの名前が変わってしまっているなんてこともよく起きます。
ですが、キャラクターの名前を色分け表示しておけば、こういった初歩的なミスにはすぐに気づくことができるんです。
変換ミスして違った名前を入力しても色がつかないので、すぐに気づけるというわけですね。

他にもシンタックスハイライトを使えば、地の文とト書き、会話文の色を分けて入力していくこともできます。
もちろん「Word」でも文の色を変えることはできますが、あれはあくまでも文書として装飾しているにすぎず、わざわざ特定の文章を選択して色を指定して……といった面倒な操作が必要。
シンタックスハイライトなら、一度設定さえしてしまえば、あとは自動で色分け表示してくれるので、文章執筆だけに集中できます。

あと、テキストエディタはもっともシンプルなデータ形式である「.txt」形式で保存できるのがメリット。
クライアントによって希望するファイル形式はまちまちですので、今では一度テキストエディタでシナリオを作成して、クライアントに合わせて「Word」や「Googleドキュメント」にコピペして納品するといった手順を踏むのが当たり前になりました。
一見するとコピペという作業はムダなようにも思えますが、作業のキモであるシナリオ執筆はお気に入りのテキストエディタで行い、納品はクライアントに合わせるという方法を取るのが、一番効率的なように思います。

また、過去に執筆したシナリオや小説といった文章データをすべて「.txt」形式で所持しておけると、閲覧性という点でも非常にメリットが大きいです。
例えば、「チョコレート」を題材にした過去のシナリオを探したいと思った時は、シナリオデータをまとめて保存しているフォルダで「チョコレート」と検索すれば、シナリオ内で「チョコレート」という単語を使っていたシナリオを一括で検索することだって可能です。

以上の点から現在はテキストエディタ(Windowsでは主に秀丸、ChromebookではJota+というソフト)を使ってシナリオや小説を執筆するようになりました。
このブログも「秀丸」で書いています。

先ほど、執筆に最適なツールなんて存在しないと申しました。
現在は「秀丸」がメインではありますが、別に私は「秀丸」が最強の執筆ツールだとは考えておりません。
現在では最適な執筆ツールなのは間違いありませんが。
今後もっと便利なテキストエディタが出てくれば、乗り換えることは充分考えられますし、現在でもクライアントの要望に合わせて、複数の執筆ツールを併用しています。

ですが、もし今後、別のテキストエディタを使うようになったとしても、テキストエディタで扱っているファイルはあくまでもシンプルな「.txt」形式であるテキストファイルです。
テキストファイルとしてデータを持っていれば、Windowsに標準で備わっている「メモ帳」や、「mi」といったMacのテキストエディタでも問題なくファイルを開くことができますし、今後別のテキストエディタをメインで使うことになっても、特段「お引っ越し」のようにファイル形式を変更する必要はありません。

もしこれが「Word」や「Googleドキュメント」といった特定のツールを使っている場合は事情が異なります。
これらワードプロセッサソフトが扱うファイルはそのソフト独自のファイルであるバイナリデータです。
「Word」のファイルは基本的に「Word」でしか開けません(もちろん現在はいろんな変換ツールが存在していますが)。
もし「Word」以外のツールをメインで使おうと思った時、ファイル形式がこれまでと違うとなると、ファイル形式をわざわざ変更する「お引っ越し」作業が必要になります。
これは扱うデータが多くなればなるほど、非常に面倒です。

そもそもの話、今は便利に使えていても、「Word」や「Googleドキュメント」が5年後、10年後も同じように使えるとは限りません。
サービスそのものがなくなっている可能性だってありますし、今よりも値上がり、もしくは有料のサービスになってしまったなんて状況は普通にありえるんじゃないでしょうか。

そういった場合に備えて、大事な執筆データはシンプルなテキストファイルで作成する。
その時々で必要になってくる作業に合わせて、臨機応変に複数の執筆ツールも併用する。
今後、他に利用する執筆ツールが変更になったとしても、データをテキストファイルで持っているので、柔軟に新しい執筆ツールに移行することができる。
こんなふうに執筆環境を構築しておくと、シナリオや小説の執筆が捗るんじゃないでしょうかね。

だいぶとりとめのない話にはなってしまいましたが、執筆にはテキストエディタを利用する。
これはホントにおすすめですので、まだテキストエディタを試してみたことがない方は、ぜひ騙されたと思って触ってみることをおすすめしますよ。
きっと気持ちのよい執筆体験に出会えると思いますので。

それではまた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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