小説「ミトミと私の奮戦記。」◇9歳 嫌いなもの増えたね

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◇9歳 嫌いなもの増えたね

 ガタ、ガタ、ガタガタガタ 震度3ぐらいの地震が時々起きる。
 するとミトミが飛び上がって 揺れに対して吠えまくる。
 「なんか揺れてる怖い!」
 そんな感じだが、父も母も私もあまり気にせずミトミだけが騒ぐ。

 遠くでゴロゴロ雷が鳴り空が光る。 ピカピカ ゴロゴロゴロ ドッカ~ン
 「どこか近くで落ちたかな?」
 「キャワ~ン」『怖い、怖いよ!』
 雷に恐れをなしたミトミは、押入れの座布団の中に逃げ込む。
 私たちはさほどでもないけど、ミトミは雷も嫌いなんだね。

 「地震や雷 いい加減慣れなよ」
 でも、地震や雷 そういうものに敏感でいることは、いざの時に対応しようとする 動物の本能としては正しいのかもい知れない。

 そんなミトミが、黒い虫をくんくん嗅ごうとしていた。
 母と私は一斉に
 「ギャー!!」
 「汚い!ミトミ ゴキブリに触っちゃ駄目!」
 そのあまりの剣幕に、ミトミがびっくりしてのけぞる。
 この時からミトミは、ゴキブリや黒い虫にもビビるようになった。

 私らのせい?このゴキブリだけは母も私も苦手。
 私にとっては、あの動きフォルム、空を飛び陸を這い、狭い隙間から突然出て来ていなくなる神出鬼没、最大の弱点、現実的である分幽霊よりも怖い。が、そんな私らよりもミトミの方が尋常じゃない驚き方になってしまった。
 こっちの驚きと恐怖でトラウマにして申し訳ない。

 なぜか 家族と一緒にミトミもテレビを見ている。(わかってんの?)
 急に幽霊や怪物が出てくると、父は無言でビクつき。
 「あぁ びっくりした」
 母は驚き、ミトミはじっと見ながら後ろに下がる。
 人間だったら「ワァー」と驚き、恐れる表情だろう。そんな雰囲気的だが、別の部屋に行くこともなく見続ける。
 ただ、父にどん々近づき最後には、懐に入り父とミトミがピッタリ体を密着させ一体化して小さく丸くなっている感じ。

 父も母もミトミも幽霊物は苦手らしい。だが、幽霊やホラー、妖怪もの、得体の知れないものが大好物の私は、この家族の中の異端児で しかも人が悪い。
 みんなが怖がっている事を知りながら、「見るな」と言われない事をいい事に(ミトミは言えないが)
 「夏はこれだよね(冬でもやっていれば見るけど)」
 そう言って強引に見続ける。見せる。その怖がっている姿、この時ばかりは私の優越感。

 父や母やミトミ(当然だが)は、なぜか「怖い」とか「嫌だ」とかは言わない。大人のプライド?それとも実は楽しんでる?
 お父さんもお母さんもミトミも嫌いなもの増えてくね。その一因は私だけど、みんな ごめん・・・
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