東京でオフィス仲介をするのは今後さらに難しくなる?空室率1%台で求められる仲介力

東京でオフィス仲介をするのは今後さらに難しくなる?空室率1%台で求められる仲介力

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コラム
東京でオフィス仲介をしていると、
ここ1〜2年で明らかに市場が変わってきたと感じます。

少し前までは、
「条件に合う物件を何件か出して、その中から比較してもらう」
という進め方が比較的しやすい状況でした。

しかし最近は、
「そもそも紹介できる物件が少ない」
「紹介した翌日に申込みが入った」
「内見を調整している間に募集終了になった」
ということが増えています。

東京のオフィス市場は、かなり貸主優位の市場へ戻ってきています。

そして、この状況が続くのであれば、今後東京でオフィス仲介をするには、
今まで以上に経験が必要になってくると思っています。


東京のオフィス空室率はすでに1%台

三鬼商事が公表している2026年7月の東京ビジネス地区、
都心5区の平均空室率は1.95%です。

さらに既存ビルだけを見ると、空室率は1.78%まで低下しています。
平均募集賃料も坪23,287円となり、
前年同月比では11.38%上昇しています。

もちろん、
「東京のオフィスが全部埋まっている」
という意味ではありません。

築年数、駅距離、賃料、設備などによって募集が
長期化しているビルもあります。

ただ、
駅から近い
適度な広さ
賃料が相場から大きく外れていない
建物のグレードが良い
レイアウトしやすい
入居時期を合わせやすい

といった物件になると、選択肢がかなり少なくなっています。


2030年まで大量供給で一気に状況が変わる可能性も高くない

さらに気になるのが、これからの新規供給です。

森ビルの「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2026」によると、
2026〜2030年の大規模オフィス供給量は、年平均82万㎡。

1986〜2025年の過去平均102万㎡を下回る見込みとなっています。

森ビルも、今後の供給がオフィスマーケットへ与える影響は、
過去と比べて限定的になるとしています。

さらに、今後5年間に供給されるオフィスの91%は都心5区へ
集中する見込みです。

もちろん、将来の空室率を正確に予測することはできません。
景気が悪化すれば、企業がオフィスを縮小する可能性もあります。

ただ少なくとも、
「大量の新築オフィスが出てきて、一気に物件を選び放題になる」
という市場を前提に仲介するのは難しそうです。


市況はコロナ前にかなり近づいてきた

私自身、コロナ前の東京でオフィス仲介をしていました。

当時も空室が少なく、
「良い物件が出たら早く動く」
「申込みを入れたから安心ではない」
「貸主から選ばれる借主になる」
という感覚が必要でした。

現在の市場を見ていると、
その頃の仲介にかなり近づいてきていると感じます。

空室が多い市場であれば、
物件を見つける→紹介する→案内する→申込み
という流れでも、ある程度仕事になります。

ところが空室が少なくなると、
物件を紹介する前の動きと、申込みを入れた後の動き
が非常に重要になります。

ここに経験の差が出ます。

募集中の物件だけを探していても遅い

空室が少なくなったときに重要になるのが、
空き予定の情報を取ることです。

現在募集されている物件だけを検索して、
「ありませんでした」
では、条件の厳しい顧客には提案できなくなります。

例えば、
「3か月後に退去する予定のテナントはありませんか?」
「まだ公開していない募集予定区画はありませんか?」
「館内で増床・縮小移転する会社はありませんか?」
といった情報を、貸主や管理会社、募集窓口から取っていく必要があります。

表に出た瞬間に複数の会社へ情報が広がる物件でも、
募集開始前に顧客へ提案できれば状況は変わります。

空室が少ない市場ほど、検索力より情報収集力が重要になってきます。


申込みを入れても「1番手だから安心」とは限らない

これからさらに増えると思っているのが、申込みの競合です。

例えば月曜日に申込みを入れた。
しかし貸主側から、
「週末までほかの内見も入っているので、それを見てから判断します」
と言われる。

そして1週間後、
「もう1社申込みが入りました」となる。

空室が少ない市場では、十分あり得る話です。
そして物件をどうしても確保したい会社であれば、
「募集賃料より坪500円上げます」
「フリーレントはいりません」
「契約開始日を早めます」
といった条件を提示してくる可能性もあります。

もちろん、すべての物件で価格競争になるわけではありません。
貸主が何を重視するかも違います。
・会社の信用力
・業種
・契約開始時期
・賃料条件
・フリーレント
・保証会社
・契約期間
・入居後の利用方法

などを総合的に見て決める貸主もいます。

だから仲介担当者は、
「1番手を取りました。あとは審査待ちです」
では終われません。


貸主側から「選ばれる仲介」であることも重要になる

これは少し現場的な話ですが、空室が少なくなるほど、
貸主側の募集担当者も忙しくなります。

問い合わせが増える。
内見依頼が増える。
申込みも複数入る。
そうなると、仲介会社側の対応も見られます。

例えば、
・連絡が極端に遅い
・必要書類を提出しない
・質問への回答が曖昧
・何度説明しても条件を理解していない
・連絡なしで予定を変更する
・無理な条件だけを一方的に要求する

といった対応をしていると、案件を進めにくくなります。
これは単に「礼儀が良い・悪い」という精神論ではありません。

貸主側からすれば、この仲介会社を通して契約を進めて問題がないか
というリスク判断でもあります。

空室がたくさんあれば、「何とか借りてもらいたい」となります。
しかし申込者が複数いれば、貸主側にも選択肢があります。

その結果、借主だけでなく、仲介担当者の進め方も成約に影響する
場面が増えてきます。


「案件はある。でも決まらない」という状況が増える

空室が少ない市場は、
「仲介会社にとって案件も減る」
と思われるかもしれません。

私は必ずしもそうではないと思っています。

むしろ、移転したいのに物件が見つからない会社が増えてきます。
いわば「移転難民」です。

例えば、
現在80坪を借りていて、120坪へ増床したい。
でも希望エリアに100〜150坪の空室がない。

その会社は、
A社にも相談する。
B社にも相談する。
C社にも相談する。
つまり、一時的には仲介案件として相談を受けやすくなります。

しかし問題は、相談されたからといって、決まるわけではない
ことです。


経験の浅い仲介ほど「他社も入っている案件」に飛び込むことになる

特に中規模以上のオフィス移転では、
企業側がすでに何社かのオフィス仲介会社へ相談しているケースがあります。

そこへ新しく仲介会社が入る場合、
「物件があれば紹介してください」
だけでは、ほとんど差別化できません。

同じ募集物件であれば、他社も提案できるからです。

そうなると、
・他社がまだ持っていない空き予定情報
・市場には出ているが顧客へまだ届いていない物件
・条件を少し変えた代替提案
・移転時期を変えた提案
・セットアップや居抜きなど別の選択肢
・貸主側との条件交渉

まで考える必要があります。

つまり、案件を取る難易度より、案件を成約させる難易度が上がる
ということです。


「物件がありません」で終わる営業は厳しくなる

例えば顧客から、
「丸の内周辺で100坪、坪3万円以内で探してください」
と言われたとします。

検索して3件しかない。
その3件も条件に合わない。

そこで、「現在条件に合う物件がありません」
と伝えて終わる。

空室が多い時代なら、次の募集を待つという方法もありました。
しかし今後は、「何なら変えられますか?」
まで入っていく必要があります。

例えば、
・エリアを一駅広げる
・面積を90坪まで下げる
・賃料を少し上げる
・入居時期を半年延ばす
・分室という方法を考える
・セットアップオフィスも検討する などです。

そして、ただ条件を緩めてもらうのではなく、
条件を変えたらどのくらい選択肢が増えるのかを示す。

ここまでやって初めて提案になります。


経験者ほど「申込みを入れる前」から準備している

空室が少ない市場では、
良い物件が見つかってから考えていると遅い場合があります。

私は、顧客へ物件を案内する段階でも、
・この会社の決裁者は誰か
・決裁まで何日かかるか
・どこまで賃料を上げられるか
・何を条件交渉したいのか
・必要書類はすぐ出せるか
・契約開始日は前倒しできるか
・競合申込みになったら何を優先するか

といったことを考えます。

その準備ができていれば、「申込みが2件入りました」
と言われても、次の動きができます。

一方、申込みが重複してから、
「どうしましょう?」
と初めて顧客へ相談すると、その間に相手が条件を上げてくることもあります。

この辺りは、経験があるかどうかでかなり差が出るところです。


店舗仲介はまた違った難しさがある

ここまで主にオフィスの話をしてきましたが、店舗仲介はまた少し違います。

店舗の場合は、
業種
排気
給排水
電気容量
ガス容量
営業時間
看板
消防
臭気
騒音
原状回復

などの条件が加わります。

空室があっても、「どこでも借りられる」わけではありません。

飲食店を出したいのに、飲食不可。
美容室を出したいのに、給排水工事ができない。
良い物件が見つかっても、事業内容が貸主審査で通らない。
こういった問題もあります。

だからこそ、事務所なのか店舗なのか、何坪程度の案件なのかによって仲介の動き方は変わります。


これからの東京仲介は「物件を知っている」だけでは足りない

今後数年、現在のような低空室率が続くのであれば、
東京で仲介をする難易度は高くなると思います。

ただ、これは、仲介会社に仕事がなくなる
という意味ではありません。

むしろ移転したいのに移転できない会社が増えれば、
相談案件は増える可能性があります。

しかし、案件が増えることと、成約が増えることは別です。
・空き予定情報を取る。
・顧客の条件を整理する。
・他社と違う物件を提案する。
・申込み前から競合を想定する。
・貸主側が何を重視しているのか確認する。
・条件交渉の優先順位を決める。
・申込みが取れなければ次の候補へすぐ切り替える。

こうした仲介実務ができるかどうかが、今まで以上に重要になります。


東京での事務所・店舗仲介について相談を受けています

私はこれまで10年以上、不動産仲介の現場で事務所
店舗案件に携わってきました。

ココナラでは、仲介を始めたばかりの方や、
実際の案件で動き方に迷っている方から、

紹介できる物件がない
空き予定情報をどう探せばよいか
他社も入っている顧客に何を提案すればよいか
申込みが重複したときにどう動くか
貸主側へ何を確認したらよいか
賃料交渉をどの順番で進めるか
店舗案件の契約条件をどう整理するか

といった相談を受けています。

現在出品している仲介相談サービスも、
一般的な営業論をお話しするものではありません。

実際の物件、顧客条件、現在詰まっているポイントを聞きながら、
「この案件で次に何をするか」
まで一緒に整理するサービスです。

現在の東京市場のように、物件が少なく、申込みが競合しやすい環境では、
「この場合どう動けばいいのか?」
という細かな判断が成約を左右します。

オフィス・店舗仲介を始めたものの、
「案件は来るけれど、なかなか決められない」
「紹介できる物件がなくて困っている」
「他社との競合案件でどう動けばよいか分からない」
という方は、実際に抱えている案件をそのまま持ってきていただいて大丈夫です。

知識を説明するだけではなく、
今ある案件をどう成約へ近づけるか。
現場目線で一緒に考えています。


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