私が敬愛する、河合隼雄さんご自身が好きな言葉です。
このタイトルを読み、ココナラはカウンセラーの方もたくさんおられるので、「あ、河合隼雄さん」と思われた方もいらっしゃるかも知れませんね。
スイスのユング研究所で資格を取得し、日本で「分析心理学」の普及・実践に大きく貢献されました。「箱庭療法」を広められたのも河合さんです。
2002年には文化庁長官を務められています。
功績もさることながら、私が惹かれるのは「人間性」です。
河合隼雄さんを知るようになったのは一冊の本から。
「カウンセラーを語る」(1985年4月刊行)
もう、36年も前に出された書物。
読み始めたのは最近です。
現代のカウンセリングの多様性がなかった頃だと思います。
きっとネットでのカウンセリングなど、考えられもしなかった時代です。
あっちにもこっちにも、うじゃうじゃとカウンセラーが誕生していない時代。
(私もうじゃうじゃの中 (笑) )
時代は違うけれど、芯の大切なことは変わりはしないと思います。
クライエントさんを「想う気持ち」カウンセラーの「心構え」。
著書ではそれを、優しく楽しく、そして時に厳しく語っておられます。
そこに溢れる人柄は、私が幼い時から求めた人間像。
2007年にお亡くなりになっていることを知った時、悲しくて残念で。
胸がぎゅっと痛みました。
もし会えるのならば尋ねたかった。
「私には心に触れる資格がありますか?」
「ない」といわれようとも「ある」といわれようとも、弟子入りしたかった。
それ程までに、尊敬しています。
「ふたつとよいこと さてないものよ」
上記の著書にも登場します。
関西地方に古くから伝わる言葉だそうです。
河合さんは 兵庫県生まれですので幼いころから親しんだ言葉かも知れません。
心の中にもっておくと、役に立つこともあるかも知れません。
ご紹介させて頂きます。
意味は、❝ 良いことがあれば、一方で悪い面もある。これは、世の常であるのだよ。❞と、こんな感じ。
例えば、宝くじが当たれば嬉しいけれども、お金目当てに近づいてくる人も出てくる。
仕事が軌道に乗れば、プライベートの時間は少なくなる。
他にも思い浮かぶことがあるかも知れませんね。
決して戒めの言葉だけではありません。
上手くいこうとしている時に、悪しくも何らかのトラブルが起きたとします。
「ふたつよいこと さてないものよ」
これが世の常、当たり前のことだと捉えると、「まぁ、こんなもんだ。悲観することはない。何とかするしかないさ。」とおおらかに受け止められます。
また、逆に考えることも出来ます。
悪いことがあったとき、さてこの出来事には良い一面もあるのではないか。
別の方向から見直すきっかけにもなります。
自分に対して苦しい時、人生に対してつらい時、
「ふたつとよいこと さてないものよ」
そっとつぶやいてみてください。
ふっ、と体の硬さがゆるむこともあります^^
河合隼雄さんは、詩人の谷川俊太郎さんと親しくされていました。
2001年1月に河合さんの文化功労者祝賀会で、谷川さんが祝辞代わりに読んだ詩を最後に。
かわいの いわい 谷川俊太郎
せわしい たましい けたたましい
さもしい たましい さわがしい
さかしい たましい うっとうしい
まぶしい たましい うとましい
ふたつとよいこと さてないものよ
わかりまへんなと てごわい かわい
ただしい たましい はらだたしい
あやしい たましい なやましい
おかしい たましい うらかなしい
ゆかしい たましい うたがわしい
うそからうまれる まことのしらべ
ふえをふきふき かわいい かわい
つましい たましい ふてぶてしい
さびしい たましい ややこしい
やさしい たましい もどかしい
きびしい たましい あつかましい
おのれころさず ひともころさず
よわいかさねて よいかげん
きりなし そこなし かわいのはなし
ちゃばなし はかなし こばなし たのし
むかしばなしは はてもなし
あやかし あやなし はらごなし
なりわい にぎわい さいわい あじわい
こよい わいわい かわいの いわい
※注釈
嘘から生まれる…冗談好きで、日本ウソツキクラブ会長を自称していました。
笛を吹きふき…河合隼雄さんはフルートが趣味でした。
おのれ殺さず、人も殺さず…カウンセリング時の姿勢。
昔話…日本人の性格の構造に繋がるとして神話を紐解き「神話構想論」をたてるなど、神話に深く関心を持っていました。
苦しさの良い面が見えない時は・・・