薬剤師って普段なにやってるの??

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 昔の笑い話ですが、ある病院の入院病棟で、「この病院でも入院患者さんに対しての服薬指導など、情報サービスを充実しよう!」と院長が方針を決定したため、薬剤師が薬局から病棟へ赴き、患者さんに「きちんと薬は飲めているか」「副作用を疑う症状は出ていないか」「薬の効き目がきちんと出ているか」「患者さんが抱えている不満がないか」などを聞き出す業務が開始されました。それまで薬剤師というのは薬局の内部でしか活動する機会がなかったため、病棟まわりが終了したのち、看護師に対して「今日は薬を売りに来た奴がいたが、あれは誰だ?」と質問があったそうです。

 今では笑い話ですが、昔は現在と比較しても薬剤師はとてもマイナーな存在。実際、薬剤師ってどんな職業で、どんな仕事をしているのか、ここで詳しく解説します。

 「薬剤師ってただ袋に薬を詰めてるだけの人でしょ?」ということをネット上ではよく耳にします。う〜ん、半分、当たってますけど、半分違う。そう簡単な内容ではないですね(笑)。「お菓子の詰め合わせセット」ではないので、きちんとした資格を持った人がやっています。

 例えば、医師がこの患者さんにこういった治療をしたいので「この薬を100mg投与」、という指示が出ても、実際にどう作って提供するのかは薬剤師任せのことが多いです。医師はとても忙しいので、診断や検査の結果、紹介状や診断書の作成などの業務に追われるため、薬の詳しいことは薬剤師に委任されるケースが多いのです。私が医師の診察を受けると「どの薬が飲みたい?」と逆質問されてしまいます。扱うものは規制区分が緩やかな通常の薬から、劇薬、毒薬、麻薬、向精神薬(1種から3種まで)、覚せい剤原料までバラエティに富みます。医師は診断をするのが主な業務で、その診断名をもとに薬物量をチェックし、医師の勘違いなどの事故が起きないようにダブルチェックで薬が患者さんの手元に渡ります。

 薬剤師は普段は処方箋どおりに薬を作って渡すだけなので、いわばお薬職人と思われるところが多く、実際になにをやっているのかはイメージしにくいと思います。薬剤師の主な業務を例を挙げると、

・医師の診断に対して、適切な処方がされているか(処方チェック)
・作られた薬は処方と間違いないか(監査チェック)
・他の使用中の薬と何か影響を与えることはないか(相互作用チェック)
・タイプミスなどによる薬の処方ミスがないか(オーダーチェック)
・似た名前の別の薬が間違えて出されていないか(薬物名チェック)
・処方と患者さんの取り違えはないか(患者チェック)

など、確認作業がたくさんあります。新しい医師が赴任したり、研修医から一般医になったばかりの医師が現場に配属された場合などは、ヒューマンエラーが起こる確率が高いので、こういったとき薬剤師って結構ピリピリしています。通常の薬局業務では扱う医薬品は科目にもよりますが、2000種類くらいの薬の知識は頭に入っていないと現場では役に立ちません。どの薬とどの薬が相性が悪いか、法律上の制限(投薬日数の上限など)がないか、この病名でこの薬は保険が効くのか、様々な業務があります。ただし、あくまでも縁の下の力持ち的な存在であり、某ドラマのようにあそこまで薬剤師が目立つことは実際にはありません。

 看護師さんと比較すると、薬剤師ってなんだかのんびりしているように見えることが多いですが、薬剤師は薬物治療では最後の砦なので、どんなに緊張する現場であっても、ポーカーフェイス、まだまだ余裕、という顔をしていないといけません。

 診断名が違うと同じ薬でも使用する量が異なることがあります。医療チームの中では薬剤師とはこういった「医師がやりたい医療」のサポート、バックアップをするのが仕事であり、医療ミスを防ぐための最終チェックを任されることも多いです。「劇薬とか、毒薬なんてなんか怖そう」と思われるかもしれませんが、劇薬と劇物、毒薬と毒物は字面こそ似ていますが、これらは全く異なるものです。たまに小児科とかで「こんな小さい子に劇薬を処方された!」などとお怒りの電話を受けることもありますが、そこをきちんと説明して安心してもらうのも薬剤師の業務です。基本的に、ミスを未然に防ぐ仕事なので、血圧を測ったり、注射をしたりすることはありません。

 劇薬その他のコラムについては別稿にて解説しています。
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