伝わる話、伝わらない話

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以前ある本を読んでいて思いました。「話が伝わるか伝わらないかは、いろいろな要素が絡んでいるな」と。発信者と受信者の信頼関係、論理による説得力、共感の有無、などなど。その中で今回は論理的思考を取り上げます。ここで言う「論理」は話のスジを意味します。一般的に言われているロジカルシンキングは「論理的配列=スジ」に加えて「問題解決スキル」を両方指している場合が多いです。

問題解決とはGAPの要因をMECE(漏れなくダブリなく)に深く分解して、解決策を検討するプロセスです。これはご存じの方が多いと思います。これに対して論理的配列の骨格は以下の3つの流れです。①論点→②意見→③根拠(①③②の順でもOK)。あたりまえだよ、と思うかもしれませんが、意外に①の論点がぼやけている場合が多いのです。言い換えると「問い」が悪い。「問い」がない、あるいはよく見ると「問い」になっていないなどの場合、思考停止になります。良い「問い」があって、明快な意見があって、その根拠がしっかりしていれば、説得力のある因果が流れ、これすなわち論理的ということになります。

では「良い問い」を出すためにはどうしたらよいか。そのヒントが次の3つです。①時間軸、②空間軸、③人間軸。過去→現在→未来の視点で考える。現在地→東京→日本→世界→宇宙の視点で考える。自分→他者→チーム→企業/地域→社会の視点で考える。この切り口を上手に使うと「良い問い」が設定できるようです。この3軸の原点が、「今、ここ、自分」。私がとても大切にしている言葉です。

でも実際は、論点が不明確な会議、声だけが大きい意見、思いつきの根拠、が世の中にあふれていますね。もったいない。さて、論理的思考。実はこれだけで話が伝わるわけではありません。ではいったい・・・。そのあたりが上手にまとまっている本をご紹介します。冒頭で「私が読んだ」という本です。『あなたの話はなぜ「通じない」のか』。著者は山田ズーニーさん。ベネッセコーポレーション入社後、進研ゼミ小論文編集長として高校生の「考える力・書く力」の育成に尽力した方です(現在は独立)。よい内容なので、ご興味のある方は読んでみてください。ちなみにズーニーさんは女性。『伝わる・揺さぶる!文章を書く』という本もいいです。論理的思考は説得力を増しますが、共感をとれるかどうかはまた別。伝えることは、本当に奥深いですね。

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