リーダーシップ論

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本日は「リーダーシップ」について考えてみたいと思います。「Leadership」を日本語に直訳すると「指導統率」になります。しかし教育・研修の世界で「リーダーシップ」は「影響力」の意味になります。つまりヒューマンスキルとしては、「周囲に影響を与える力」が求められるということ。周囲は必ずしも部下だけではなく、上司、同僚、社外関係者も含みます。「指導統率」という上から下方向に限らず、多方向に影響力を発揮するのがリーダーシップです。

ここでやや学問的になりますが、リーダーシップ論について述べたいと思います。まず20世紀前半までの特性理論で、「リーダーシップは生まれながらにして持っている特性」というもの。これは全く検証できず消滅します。その後1960年代にかけて行動理論が支持されました。これは「リーダーシップは行動によって発揮される」というもの。アイオア研究、オハイオ研究、ミシガン研究、PM理論と変遷しますが、なんとなく似ているので代表してPM理論を簡単に説明します。縦軸・横軸のグラフ(マトリクス)をつくり、縦軸をPerformance、横軸をMaintenanceとします。Pは課題達成(仕事)中心、Mは集団維持(人間)中心です。両軸とも高い人は理想的リーダーということ。これを教育や配置に活用したわけです。でも「そんなの理想論だよな」ってことでややトーンダウンしました。

そして1998年にジョン・P・コッターという人が「リーダーシップ論」を執筆します。これ要するに「変革のリーダーシップ」(チェンジリーダーシップ)ってやつ。環境変化が激しい時代に生き残るため、変革を生み出すリーダーが必要という主張で、リーダーはビジョンと動機づけが重要というお話です。組織の抵抗を乗り越えるために「課題づくり」と「人脈づくり」が大切だと説きます。一時期、「チェンジリーダーシップ」は研修テーマでも多かったですね。これは今でも重要視されている考え方です。

その後もリーダーシップ論は変化・進化を続け、サーバントリーダーシップ(支援型)やオーセンティックリーダーシップ(倫理観)などに派生していますが、まあ多種多様な感じです。冒頭に戻りますが、リーダーシップは「影響力」という考え方が重要だと思います。その点で上記の中では私はコッターの「変革のリーダーシップ」に一番共感します。変化の時代にリーダーに必要なのは「課題設定」と「人的ネットワーク形成」、これはうなずけます。コッターの「リーダーシップ論」、ご興味のある方は書籍を読んでみてください。

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