河川敷で一際丸みを帯びた石を見つけた。
思わず持ち上げたら想像通り丸い。きれいだなーと思っていたら裏にはくぼみがあった。
しかもそのくぼみはスプーンですくったみたいに綺麗なくぼみ。まさにヴィーナスの腰のような曲線美。
そして眺めているとだんだんとこれは靴なのではないかと思えてきた。いや、石か。
いや、ちがう。靴だよやっぱ。
多分石でできた人間(石人?)が脱いで落としてしまったのだろう。靴のサイズからいうと石人は30センチくらいかな。意外に大きい。
私は、しばらく考えた。
ここにおいて行ったらこの靴は誰かに拾われてそのときに石人がそれ私の靴!!ってお礼をしてしまうかもしれない。自分が初めに見つけたのに。
それは嫌だ。
この靴は汚れているし、新しい靴を買った方がいい。
私は幸せと石人への申し訳なさが葛藤する中思い切り川に投げ捨てて走り去った。もっとかっこいい靴買えよ、と心で石人を蔑みながら。
読んでいただきありがとうございました。また次回(@^^)/