読書ノート013 いつも「時間がない」あなたに

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コラム

1 本書を手にとった動機

 時間がないというのは本当に強烈なストレスですよね。私も山積みの仕事と迫る締切の連続に追われて、日々ストレスで胃が痛かったし、毎日が楽しくなかったことが何度もあります。なんとかしたいけど、なんとかするための時間もない・・・
 そんな悲惨なことを繰り返すまいと思うけど気がついたらまた時間に追われてるんですよ。今度こそなんとか時間がない状態とおさらばしたいと思って「いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学」を読んでみました。

2 得られた気付き

 欠乏とういのは恐ろしいものです。時間が足りない、お金が足りない、愛が足りない。世の中いろんな欠乏がありますが、欠乏状態にいるひとは狭いトンネルの中にいるがごとく、欠乏しているものへばかり注意が集中し、周りが見えなくなってしまいます。目の前の欠乏を何とかすることに囚われて、長期的な視点も持てなくなってしまいます。欠乏は人の処理能力不足を引き起こし、行動のあらゆる面に影響します。

 私にも時間がないという感覚に襲われて、近視眼的になってしまっていた経験は思い当たることがあります。とにかく目の前の作業を片付けなければということだけを考えていたために、本来そこまで力を入れなくても良かった仕事に時間を割いてしまっていたり、やっつけ仕事になって手戻りが発生したりと、今思えば非効率極まりないやり方でした。冷静になればそれがわかるのですが、欠乏の罠がそれを妨げるのです。一度時間をとってタスクを整理すれば防げたかもしれませんが、時間がないという感覚のせいで、そういう”余計な”時間を使うことなど考えも及ばないんです。

 生産性をあげようと思って、スケジュールを綿密に組み、隙間を埋めるように詰め込んだことはありませんか?時間を有効に使うことにばかり意識が向くと、こういうことをしてしまいやすいのです。しかし、もう一つ私達が気を配るべきことがあります。それが処理能力です。私達の脳がしっかり働き、集中力を発揮したり、適切な意思決定ができる状態を保つことにも注意するべきなのです。そのためには、余裕が必要なのです。スケジュールに空白を作っておくことで、時間に追われる感覚から開放されます。

 時間をフルに使い切りたいと思っていると、そういう余裕を持っておくことは、なんだか無駄や贅沢のような気になるかもしれません。ですが、脳の処理能力を奪わないためには、こうした余裕が必要で、結果的にはそのほうが生産性は上がるのです。実際、ヘンリー・フォードが工場労働者の勤務時間に制限を設けた結果、労働者の総生産量は増え、生産コストが下がったと言われています。

 時間がないという感覚が私達の生産性を下げているのです。余裕を持っておくことは決してサボリではなく、最高のパフォーマンスを発揮するために必要なことなのです。

3 TO DO

 私は毎晩、翌日の作業計画を立てるのですが、本書を読んで以降、スケジュールに余白を多めに作るようにしました。やりたいことは本当はもっとあるのですが、あえて少数に絞るのです。思い返してみれば、ギチギチにやりたいことを詰め込んでいた時も、毎日それらをちゃんと達成できていたわけではありません。「今日はあれが達成できなかった・・・」と反省する日も多かったです。しかしスケジュールの余白を増やすようにしてからは、「今日は予定通り達成できた!」「今日は予定になかった作業まで達成できた!」と前向きになれる日がかなり増えました!また、不思議なことに時間に追われているときほどやる気が出ずサボりたくなっていましたが、余裕を作っておくとテキパキと行動を起こしやすくもなりました!

 また、別の本で書かれていたことですが、時間に追われる感覚を脱するためには、他者のために時間をつかうことや、大自然などへの畏怖が有効だそうです。こうしたことも取り入れながら、自分には時間があるという感覚をもって仕事等に取り組んでいこうと思います!

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