前回書いた記事では、市場調査を行う前にはまずは "目的"を明確にしましょうとお伝えしました。
ここでいう目的の明確化について詳しく話していきたいと思います。
何か調べものをする時に一度ご自身に問うてみてください。
「今回の調査目的は何?」
恐らく想定される回答は、「〇〇市場に参入するうまみがあるか知りたいから
」「まずは市場の全体感を知りたいから」「どんな競合がいて、特徴は何かを知りたいから」といった感じでしょうか?
実はここに落とし穴があります。
これだと目的が明確になっていません、もっと言うと単なる作業になっています。
どういうことかというと、これらの内容だと、いざ調査を開始し情報が集まったとしても "so what だから何?"状態になってしまいます。
例えば、上司から「田中さん、メガネ市場について来週まで調べておいて」とお願いされ、「よし、市場を調べたらよいのね、"メガネ 市場"と・・」のようにレポートをまとめたとします。
その結果・・
田中「山崎課長例のメガネ市場調査をまとめました!」
山崎課長「ありがとう、えっとこれは、、J〇NSが伸びていることなんて知ってるけど・・・そうじゃなくてさ」
田中「え、だって市場を調べろっていったじゃないですか・・・」
結局目的が明確化されていなかったために、的外れなレポートを作成してしまい、何も進まず、無駄な時間を使ってしまうことになります。
これって、そんなに珍しいことではないんですよね。
調査を行うということは具体的な目的(意思決定)を叶えるための行為です。
調査を進める前に目的を深掘りできたかどうか(何を判断したいのか)で、その仕事の品質が決まってしまうのです。
ではどうすればよいのか?
①まずは何を判断するために調査をするのかを言語化する
例:強みを生かした戦略を練り倒したいので、自社が競合より勝っているポイントを知りたい。今から参入しても成長余地があるのかを判断したい。事業の選択と集中を行うための調査をしたい。
②なぜその判断をする必要があるのか?調査を行わなければならないのか?背景を理解する
調査をする裏側には理由が存在します。理由を知ることで、それならこのポイントを調べた方がよいのではないか?むしろ、今検討するべきことは違うのではないか?といった一歩進んだ判断ができるようになります。
理由の深掘りはWhyを繰り返すことで根本的な原因がみえてくるといわれています。
手を付ける時にはすぐに進めずに、"なぜそうなのか?" "だから何なのか?"を一度立ち止まって問いかけてみてください。