広告などクリエイティブ業界では、「クリエイティブジャンプ」とかって呼ばれていると思います。僕はその業界のことはそこまで知らないのですが、他の仕事や現場でも何か名前があるはずです。
この言葉「ジャンプ」は多分言い得て妙だなと思っていて、簡単に図解するとこんな感じです。
まず世界の設定です。
わかりやすく「世界」としていますが、「現実世界」も「異世界」も我々が生きる地球、または宇宙?を含めたものです。
ラノベの異世界転生モノが流行っていますが、あれも比喩としては分かりやすいと思います。それくらい世界が違うところへいけば、既存の価値観って異世界では全く違うというのが多くの物語の設計ですから。
現実世界で考えたことやひらめきなどの「アイデア」があるとして、それは異世界へジャンプすると、何か色が変わる感じです。つまり、元のものではない、またはそれ自体が変化するか、違う評価を受けるイメージです。
この「現実世界」→「異世界」の移動のことを、ジャンプと呼んでいます。
世界の移動といってもいいのですが、分かりやすいのは異文化との出会いです。外国へ旅行するとか分かりやすいです。言語を学んでもそれを感じます。また細かいところでは、普段いかない店や遊びを体験する、普段と違うルートを散歩するのも僕は「世界の移動」と認識しています。
当然必ず「世界の移動」が起きるわけではないのですが、ここで大事なのは、この世界の移動をしなければ、アイデアはジャンプしないということです。
同じ世界にいる限りアイデアは生まれづらい
絶対生まれないというと言い過ぎなので言葉は控えますが、とはいえ概ね生まれないんじゃないか説を唱えています。
先の話では、物理的な移動による体験という例を挙げているので、もしかしたら誤解があるかもしれませんが、これは概念の移動でも同じです。というよりも、アイデアは多くは概念、つまり頭の中で考えていることを何かしら世界を動かすということですから。
これは心理学などもそうですが、バイアスとかスキーマとか、その世界で規定されたような言葉の意味とかで常に起こります。よく「バイアスを外せ」とか「常識を疑え」とか聞きませんか?それも全て「世界の移動をしろ」ということに僕は聞こえますし、実際にその通りだと考えています。
例えばビジネスアイデアを考える時によくある詰まるシーンとしては、「ターゲットとする人の課題は見つけられた。そしてその解決アイデアも生まれたのだけど、何かぱっとしないなあ」というようなものです。
例えば、コーヒーを飲みすぎて健康被害を被る人がいたとしましょう。なんでも飲み過ぎは中毒になりますが(笑)そういう場合に、コーヒーのカップに何かつけておいて、アラートを飛ばしたり、そもそもスマホでコーヒー量やカフェイン量をどうにかして計測して見える化するというアイデアがあるとします。これが筋が良いかはおいておいて、まあそういう「アイデア」を思いついたと。こういったアイデアなら出てくる人は多いと思いますし、ここでアイデアの評価はおいておきます。
この「アイデア」自体は、「へーそうできるといいかもねえ」という歯切れの悪い感触が僕にはあります。ここで、ではこのアイデアは発案者も「あまり良さそうな解決策ではない」と思っているとしておきます。まさにこの時、「発案者」の「世界」は、以下のような世界にいることが多いです。
この場合この方は現実世界にいます。そして異世界は見えていません。アイデアの種類や切り口は「マグカップ」「カフェイン管理」「コーヒー量」「スマホ」を活用するとかです。これが悪いとか、良いとかってことでなく、そういう状態にあること、ということです。これを世界の状態と言っています。
ここで何が問題かというと、アイデアのジャンプが起こってないんですね。
もう一度言うと、この方は「何かしらアイデアに対して不満がある」のだけど、なんか違うなで「詰まっている」わけです。こういったことってかなりあると思うのですが、どう解決するかというと、ジャンプする、またはジャンプ的に近い行為をするしかないというのが僕の考えです。
ここで異世界へジャンプするにはどうすればいいかというと、実は現実世界でいてはそのまま「恒常性」といいますか、そのままあり続けるという流れがある気がします。実際に「マグカップ」から離れられないというわけです。ワークショップなどで時間が限られる中で、最初のアイデアを捨てないといけないというシーンがあったりすると思うのですが、そういう時に「アイデアを捨てられない」とハマりやすいってことです。
もちろん最初のアイデアを捨てるとかは表現であって、そうやって捨てればいいわけでもないです。ただ多くは詰まっている=捨てたほうがいいことも多く、捨てるというのが「表現として苦手」ならば、ジャンプするという方がいいのかなと思います。
実際にジャンプすると、そのアイデアは全く違うものになるか、または違う視点が得られるので、違うことになります。
異世界をどこから持ってくるか
では、異世界というが、現実世界から抜けられないのにどうすればいいか?という疑問が出てくると思います。
世界というと大きいイメージがあるものの、散歩ルートを変える、というようなことで全然オッケーです。むしろそれが本質です。
つまり、違いを何かしら、まさになんとかして生み出すしかない、というのが一つのやり方です。強制的にずらすとかもありですが、このあたりは「示す」とテクニックに走りがちなので、ここではこういう考え方の提示にとどめてみます。ただ、難しいことをするとか、先天的な才能とかではないので、誰でも出来るので、あとはトレーニングだけといえます。
では、その一つとして、例えば人との話があります。
例えば先の発案者が「こんなマグカップアイデア考えたんだけど、なんかねえ」と言ったとします。話を聴いた友人はこう返したとします。「コーヒーかあ、僕はコーヒー苦手で飲まなくて紅茶とかが好きかもね」というように。
ここで世界は「紅茶」という別の飲み物という広がりを生み出します。ここで読者の中には「コーヒー」といえば「紅茶」でしょうとすぐ思う人もいると思うのですが、正確には思い付く、連想するということですが、当の本人はそういうことすら見えないことはままありますから、ここはフィクションというか、全然ありえるぞという話として読んでください(笑)なかったらごめんなさい(笑)
他にも話が続きます。「紅茶もカフェイン入っているけどねえ」「あと、紅茶だとティーバッグがあって、それを置く紙とかはあるよね。付属品みたいな」というように紅茶の話を色々もらいました。多分ですが、ここで発案者は「紅茶の話ではないんだけどな」と一瞬は思ったとします。ですが、それを仮に異世界とするならば、イメージはこうなっていくはずです。
ここで、紅茶そのものは異世界でいいとしても、アイデア自体はまだ変わっていません。ただポイントは、「コーヒーマグカップ」みたいなものでなく、「紅茶」もあったり「何か付属品」がある世界観があるという認識です。そういう認識や認知こそが逆に現実世界に影響し、またはアイデア=概念に影響をして、発想がジャンプすることになります。
当然解は一つではない。一杯あるのを楽しむ
ここでほらこんなのが出来ますよ!というきれいな着地はせず、実際にそれは色々な解(答えではなく)があると思うんですね。そういう意味で面白いものを考えるきっかけ程度に留めておきます。
とはいえ、僕が思ったのは、紅茶で出来そうな付属品というか、ティーバッグが濡れるのでそれを紙で吸収するようなものはありますよね。それを転用して、例えば「カフェインリトマス紙」みたいなものを用意しておいて、それを付箋みたいに貼り付けられる=手帳に貼り付けるとか。まあちょっと衛生面があれですけど(笑)そうやってアナログで管理もできるといいのではないかと。あくまでアイデアですが、そう考えました。
このアイデアの評価はおいておいて、最初にマグカップでどうこうとか、スマホでどうこうを考える人の世界において、「紙でチェックする」「測る」はおそらく想定外だったはずです。この感覚がまさにアイデアのジャンプです。
個人的には数学のように問題を解くような、解き方が色々あって考えるものとか、謎掛けや謎解きやなぞなぞも視点をミックスしたりずらすことで有効です。ただ留意点はそれは頭の使い方としては全然トレーニングになるのですが、技術とか知見としてはビジネスやビジネスアイデアや実現する企画を想定すると、実際にビジネスの事を知る、ビジネスを学ぶ、ビジネスをやってみる、アイデアを試してみる、企画を考えて実行するなどの経験値があることは言うまでもないですし、それがないと、「紙でチェックするカフェインチェック」で文字通りアイデアだけで終わるわけです。
そこが留意ではありつつも、逆にいえば、この発想ジャンプ。アイデアジャンプを意図的にある程度できれば、鋭い視点や違った視点や思わぬ面白いアイデアが生まれやすくなると僕は考えています。逆に飛ばせないか、その世界でとどまっているとやはりアイデアはなかなかどこかにありそうなものとなります。どこかにありそうなものでも実現して価値となるのもあるのですが、少なくとも視点を多数考える意味では視点をずらす意味でも、ジャンプ的な発想は必ず見られるのではないかというのが僕の認識です。
というわけで、アイデアに詰まったらジャンプしてないのでは?というところを冷静に振り返られるとなかなかのアイデアマンかなと思います。さらに意図的にある程度自分のやり方でいいわけですが、ジャンプできるとか、視点を変える、切り口を変える(着眼点なども含めて)とさらにさらに素晴らしいわけです。そしてそれを手段として現実化することができれば、ブラボー過ぎます。
そういうアイデアマンが一人でも生まれると面白いですよね!
発想のネタなどを僕に壁打ちしたり、広げたり、コーチング的に鍛えていくこともやっているので、気になったらチェックしてみてください!