はじめまして。
アステラ法務コンサルティングの「たくえい」と申します。
私はこれまで、民間の建設会社や●●市役所をはじめとする地方自治体で、約30年にわたり土木・建築分野の仕事に携わってきました。その中で培ってきた幅広い知識と経験を、これから土木施工管理技士を目指す皆さんにお伝えできればと思っています。
今後、土木施工管理技士の検定試験における「経験記述」に特化したブログを連載していきます。
合格証明書等
合格証明書等
経験記述は合格の鍵を握る最重要項目
土木施工管理技士の検定試験は、筆記試験と実地試験に分かれています。このうち、実地試験で問われるのが「経験記述」です。これは単に知識を問う問題ではなく、あなたがこれまでの実務で培ってきた経験を、定められたテーマに沿って記述するものです。
なぜ経験記述がそれほど重要なのでしょうか?それは、この科目が受験者の実務能力を測る唯一の科目だからです。採点者は、あなたが実際に現場でどのような役割を担い、どのような課題に直面し、それをどのように解決したかを知りたいと考えています。単なる知識の有無だけでなく、施工管理者としての判断力や応用力が問われるのです。
合格への第一歩:題意を正確に理解する
経験記述で最も重要なのは、設問の意図を正確に読み取ることです。例えば、「品質管理」について記述が求められているのに、工程管理の話ばかり書いてしまっては、採点者の評価は得られません。
設問は毎年変わりますが、主に問われるテーマは以下の通りです。
品質管理: 目的物の品質確保のために、どのような工夫や対策を行ったか
工程管理: 工事計画通りに工事を進めるために、どのような対策を講じたか
安全管理: 労働災害防止のために、どのような安全対策を実施したか
出来高管理:目的物の出来高管理に、どのように取り組んできたか
これらのテーマに対し、自身の経験と照らし合わせて最も適した工事を選び、説得力のある記述をすることが求められます。
記述の基本構造と具体的な記述例
経験記述には、以下の要素を盛り込むことが基本となります。
工事概要: どのような工事だったのかを簡潔に説明します。
立場・役割: その工事において、あなたがどのような役割を担っていたかを明確にします。
設問への回答: 設問のテーマに沿って、具体的な課題、対策・処置、そしてその結果を記述します。
ここでは、私の職務経歴の中から、●●市役所時代に担当した「市道・里道・水路等維持管理業務」の経験をもとに、「安全管理」をテーマとした場合の記述例をご紹介します。
【記述例:安全管理】
工事概要
工事名:市道・里道・水路等維持管理業務
工事場所:市内一円
工期:2012年4月~2012年7月
主な工事内容:市道・里道・水路等の維持・補修工事
私の立場・役割
●●市役所土木部道路維持課の係長として、市道・里道・水路等の事業計画・設計・積算から工事現場の施工監理までを総合的に管理していました。また、工事に関わる関係事業者との調整や、若手職員への指導も行っていました。
安全管理に関する課題と対策
課題: この工事は市内広範囲にわたるため、個々の現場の状況や周辺環境が大きく異なっていました。特に、住宅地や交通量の多い道路での作業は、一般車両や歩行者との接触事故リスクが高いことが課題でした。
対策・処置: 私はこの課題に対し、以下の対策を講じました。まず、各工事の着手前に、現場ごとに潜在的な危険箇所を特定する「リスクアセスメント」を義務付けました。具体的には、工事車両の動線、資材の仮置き場所、通行止めの範囲などを詳細に検討させました。次に、近隣住民や商業施設への影響を最小限に抑えるため、工事期間や時間帯を事前に周知徹底しました。さらに、特にリスクの高い現場では、誘導員の配置を増やすとともに、作業員に対し定期的に安全教育を実施し、声かけ運動を徹底させました。
結果: これらの対策を講じた結果、幸いにも重大な労働災害や第三者への事故は発生しませんでした。作業員一人ひとりの安全意識が向上し、結果として円滑な工事進行に繋がりました。
まとめ
経験記述は、これまでのご自身のキャリアを振り返り、土木施工管理技士として何を学び、どのようなスキルを身につけたかを見つめ直す良い機会です。過去の経験を単なる思い出話で終わらせず、技術者としての成長をアピールする場として最大限に活用しましょう。
次回は、私のキャリア(メーカー職員、行政マン)がどのように経験記述に活かせるかについて、深掘りしてお話しします。お楽しみに。