こんにちは、4s Production 中沢です。
今回は恐らく2年ぐらい前の
ハスラーのCMについて解説していきたいと思います。
ハスラーのテレビCMご覧になった方もいるのではないでしょうか?
そもそも、なぜこのCMかというと
偶然サーフィンで訪れた海で撮影していたからです。
このビーチはあまりメジャーではない場所で
砂浜がキレイな場所です。
(※茨城県のどこか 場所は非公開)
予算かけているのにワンカットのみ使用
このCM、前半はアニメーションです。
そして最後に実写をワンカットだけ使用しています。
テレビCMなので15秒と30秒のバージョンなどあります。
色々なパターンを作成しているのでしょうが
このCMではワンカットしか使っていません。
おそらく、数回〜数十回は撮影していると思います。
演者さんの笑顔の感じや飛び跳ねている感じなど
不確定要素が多く、撮影がかなり大変だったと予想されます。
カットの詳細
かなり上からのアングルから徐々にカメラが下がっていきます。
カメラが降りてきて目線の高さにきます。
この流れを一連で撮影できる撮影の特殊機材がクレーン撮影です。
今ならドローンを使用する場合もあるでしょう。
しかし、ドローンでは風の影響を受けてしまうので
クレーン撮影の方が安定的です。
このクレーン撮影が良い映像を撮れますがコストが…。
撮影の規模感がすごい!
このCMの制作費用は
クレーン撮影、美術さん、キャスト、スタッフの人数なども考えると
1000〜3000万程度はかかっているのではないでしょうか?
「そんなにかかるの?」と思うかもしれませんが
こちらのサイトをご確認ください。
三和英財社 サイトより引用
クレーン撮影の機材をレンタルすると1日20〜30万円かかります。
さらに、このクレーンを撮影場所まで運ぶ車や運転手も必要です。
カメラも高額機材で、おそらく業務用の数百万から数千万円のカメラを
使っているでしょう。レンタルしてもそれなりに費用がかかります。
人件費も膨大
このCMには多くのスタッフが関わっています。具体的には
制作チーム
プロデューサー(全てを統括する人)
アシスタントプロデューサー(プロデューサーの補佐)
構成作家(企画立案する人)
ディレクター(監督)
アシスタントディレクター(助監督)複数名
カメラマン
カメラアシスト(カメラ助手)複数名
ロケーションコーディネーター(撮影場所を探す人)
VEさん(映像の色味などを確認する人)
音声さん(音を収録)
メイクさん 複数名
衣装さん 複数名
美術さん(備品などを制作)
各スタッフのアシスタントは1人ではなく複数人いると思います。
出演者は30名
左手のドリンク屋さん
歩くサーファー
車の横の男女 2組など出演者は総勢約30名
美術さんがすごい!
このCMではこの砂浜は撮影前には何にもない状態でした。
向かって左側にはお店が映っています。スムージーのお店のような建物。
それもここに作っています。
またテーブル、椅子が複数、ビーチパラソル、レジャーシートなどなど
色々なものが準備され、夏を感じられる映像になっています。
その他、諸々
その30名の出演者の衣装代、メイク、お弁当
トイレは公共のものがすぐ近くにありますが
人がそれだけいればその分、いろいろと大変になります。
おそらく都内の製作会社が茨城まで行って撮影しています。
ということは前日入りの可能性もあります。
前日入りだと全てのスタッフ、出演者の方の宿泊費、食事代等が
かかってきます。
そのさまざまなものを調整しながら進めていくのが
ディレクター(監督)です。
もちろん責任重大。
もちろんADさんも複数いますが最終決定はディレクターです。
撮影は大変です。
CMの内容によってぜんぜん違う!
私もテレビCMの撮影にアシスタントで入ったことがありますが
内容によってはもっと簡易的というか小さめの撮影もあります。
レンタルスタジオ内で5時間程度で撮影終了しました。
タレントさんの対応が大変ですが
そこまで大変な撮影というわけではありませんでした。
ドラマはもっと大変!
このCMがそれほど大変ではない理由は、著名なタレントがいない点です。
タレントが入ると、その分スタッフも増えます。
事務所の人や専用のメイク、衣装、アシスタントなどが増え
一人のタレントにつき5〜20名程度のスタッフが追加されます。
ドラマではタレントが複数になるため、スタッフも倍増します。
進捗の連携も大変で、トラブルが起きると全てに響いて撮影時間が増えていきます。また、タレントは忙しいため、時間との戦いになります。
動画制作がコンパクトになった理由
ハスラーのCMのように大掛かりなものもありますが
どちらかというとコンパクトなCMが増えています。
今は、良いものをたくさんの予算をかけてつくるというよりも
複数のCMを作っている企業が増えています。
これは完全にネットCMが盛んになった事で
CM1本の制作コストを抑え、複数のCMを作っていく流れです。
どんどん新しいCMを見るようになったと思います。
ずっと同じCMを使っている企業は減っていると思います。
それにあわせて動画制作もコンパクトになっています。
その理由は以下になります。
スマホの普及(スマホが爆増→カメラレンズ代が下がる)
→カメラの値段の下落
→安価でも高画質な映像の撮影
→安価なパソコンでの編集
それがYouTubeと合致し、ユーチューバーの登場を促しました。
動画制作費用の違い
制作費が高くなるジャンルはドラマなどの再現動画系です。
出演者や美術が必要になるほど予算がかかります。
一方、企業VP(企業紹介、採用系)などでは
社長や社員のインタビュー動画が一般的で
出演者が社員なので演者費用がかかりません。
衣装も仕事の服装で良く、メイクもしない傾向があります。
CMや再現ドラマ系ではないので制作費用はかなり抑えることが可能です。
まとめ
映像制作にはピンキリです。
本来はテレビCMのように手間をかけて制作する方が良いですが
そこまでしなくても良い場合も多くあります。
企業VP(企業紹介、採用系)などは30〜100万円で制作可能です。
動画制作などでご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
それでは、4s Production 中沢でした☺️
keep smiling!!