「三回目の実験も失敗しました」の「失敗」は failed ではありません

「三回目の実験も失敗しました」の「失敗」は failed ではありません

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学び
同じ条件で3回まわして、3回とも狙った結果が出ませんでした。
共同研究者に進捗を送らないといけません。

言いたいのは、これです。

三回目の実験も失敗しました。

3秒、考えてみてください。

答えです。

The third experiment didn't work either.

「失敗」を failed にすると、腕の話になります

まず出てくるのは、こちらだと思います。

The third experiment failed.

文としては何もおかしくありません。ただ、研究の話でこう言うと、
実験そのものが成立しなかったほうに読まれます。
手順を間違えた、装置が途中で止まった、試薬が古かった。あなたの側の失敗です。

didn't work は、回りはしたが、狙ったものが出なかった。
仮説の側の話で、そこにあなたの手落ちは入っていません。

日本語の「失敗しました」は、この2つを1語で覆っています。
だから英語にするとき、自分がしくじったのか、予想が外れたのかを選ばされる。

報告としては、まるで違うことを言っています。

・failed → やり方が悪かった。次はちゃんとやります
・didn't work → 予想と違った。仮説のほうを見直します

そして相手が次に返してくる言葉も変わります。前者には手順の確認が来て、
後者には条件の相談が来る。どちらを求めているかで、動詞を選ぶことになります。

日本語の「失敗」が便利なのは、そこを決めずに言えるからです。
決めずに言えるということは、決めていないまま3回まわせてしまうということでもあります。

場面を1つずらすと

装置が途中で止まって、実験になりませんでした。
The run failed halfway through.

こちらは本当に failed です。実験が成立しなかったので、結果の話にすらならない。

今日ひとつ

進捗の連絡に「失敗しました」と書きかけたら、そこで一度止まってみてください。
failed と didn't work の、どちらを書くつもりだったか。
選んだほうが、相手から返ってくる言葉を決めます。

明日は「あの結果はまだ再現が取れていません」。この「取れていない」は、試したかどうかを言っていません。

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