「一存では決められません」は、能力の話ではありません

「一存では決められません」は、能力の話ではありません

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先方の役員が同席しています。
話の途中で、その場で値引きができるかと聞かれました。
答えは持っています。ただ、決める立場にはいません。

言いたいのは、これです。

私の一存では決められません。

3秒、考えてみてください。

答えです。

That's not my call.

「決められない」と「決める人ではない」は、別のことです

出てきそうなのは、こちらだと思います。

I can't decide it by myself.

通じます。ただ、聞こえ方が変わります。
I can't decide は、決める力が自分に足りないように響くからです。
自信がないのか、情報が足りないのか。能力の話として受け取られます。

That's not my call. は、能力にいっさい触れません。
call は審判が下す判定のことで、my call はわたしが判定を下す持ち場。
だから not my call は、その判定は、わたしの持ち場ではないという意味になります。

日本語の「一存」も、本当は同じことを言っています。
自分ひとりの考えで、という意味なので、決定の場所の話です。
ところが述語が「決められません」なので、
文の形としては能力の否定になる。ここがずれます。

英語は主語を That に置くので、自分が文からいなくなります。
自分が下がるのではなく、話題のほうを別の持ち場へ渡す。
That's not my call. がこれだけ短いのは、
下げるべき自分が、そこにいないからです。

場面を1つずらすと

そこは私が決めます。
That's my call.

形を変えずに、持ち場を自分へ戻せます。

今日ひとつ

「決められません」と言いそうになったら、主語を自分から案件に移してみてください。
I can't が That's not に変わるだけで、能力の話が権限の話に戻ります。

明日は「その方向で問題ありません」。この「問題ありません」は、許可に聞こえることがあります。

決裁の線引き、そちらでは誰のどこまでと決まっていますか。

尺ではなく、文数で値付けしています

この形式は1文がおよそ13.5秒ですが、そのうち8.3秒は無音と刻み音です。
考える時間の5秒、トラックを切るための前後の無音、日本語と英語のあいだの区切り。
尺の6割が「間」でできています。

尺で値付けすると、間を伸ばすだけで水増しできてしまう。だから文数で数えています。

考える時間は既定5秒で、市販の教材と同じ間隔です。3秒にも8秒にも変えられます。

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