「有意差が出ませんでした」は no difference ではありません

「有意差が出ませんでした」は no difference ではありません

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週に一度のラボミーティングで、今週の結果を出す番が回ってきました。
スクリーンに出したグラフは、先週とほとんど同じ形をしています。

言いたいのは、これです。

今回は有意差が出ませんでした。

3秒、考えてみてください。

答えです。

The difference wasn't significant this time.

「出なかった」を「無かった」にすると、言い過ぎになります

まず出てきそうなのは、こちらだと思います。

There was no difference.

文としては通じます。ただしこれは、「差は無い」と言い切った文です。
日本語の「出ませんでした」より、ずいぶん強い。

日本語の「有意差が出なかった」は、差があったかどうかを言っていません。
言っているのは、判定に掛けたら通らなかったということだけです。
差はあったかもしれない。今回のデータでは、有意と呼べる大きさではなかった。

英語はここを、否定をどこに置くかで分けます。

・The difference wasn't significant. → 差はあったが、有意ではなかった
・There was no difference. → 差そのものが無かった

前者が否定しているのは significant、後者が否定しているのは difference です。
否定の掛かる先が1つずれただけで、報告している中身が変わります。

これは英語の都合というより、統計の側の約束がそのまま語順に出ているだけです。
「有意差が出なかった」は、差が無いことを示した結果ではない。
日本語は「出る/出ない」の一語でそこを覆ってしまうので、
英語にするとき、どちらを否定するのかを自分で決めることになります。

決めずに訳すと、たいてい強いほうに倒れます。

場面を1つずらすと

差はありましたが、有意ではありませんでした。
There was a difference, but it wasn't significant.

日本語で分けて言うときの形が、そのまま英語の骨組みになっています。

今日ひとつ

今日の結果を1文にするとして、否定したいのが significant なのか difference なのかを、
英語にする前に日本語で言い分けてみてください。
「有意ではなかった」と「差は無かった」。どちらを書くつもりだったかで、次にやることが変わります。

明日は「まだサンプル数が足りていません」。この「数」を number と訳すと、英語では収まりません。

この文は、どうやって決めているか

上の1文は、こちらで用意したものです。実際のご依頼では、次の5つを伺ってから文を起こします。

・使う場面(誰に、どこで話すか)
・現在のレベルと、いま詰まっているところ
・必要な語彙・固有名詞(製品名、専門用語など)
・希望する話者の国と地域、読み上げ速度
・聞く環境(通勤中/自宅/移動中)

3つめが要です。市販の教材に載っていない語こそ、教材の中身になります。
一覧が無くても構いません。こちらから質問しながら一緒に洗い出します。

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