デスクに不良の集計表を広げています。
電話の向こうは、海外の品質担当。先月からの推移を聞かれました。
言いたいのは、これです。
不良率が2倍になりました。
3秒、考えてみてください。
答えです。
The defect rate has doubled.
混ざっているのは、日本語の側です
doubled は「2倍になった」。100 が 200 になった、ということです。
ここで気をつけたいのは、英語ではなく日本語のほうです。
「2倍になった」と「2倍増えた」は、厳密には別のことを言っています。
・2倍になった → 100 → 200
・2倍増えた → 増えた分が2倍 → 100 → 300
日常の会話では、この2つがかなり混ざって使われています。
「売上が2倍増えた」と言う人の多くは、2倍になったつもりです。
文脈で通じるので、それで困らない。
英語はここが混ざりません。
・doubled → 2倍になった(100 → 200)
・tripled → 3倍になった(100 → 300)
・increased by 200% → 200%ぶん増えた(100 → 300)
初回に扱った by と to の違いと、同じ形です。
英語は「変わったあとの値」と「変わった量」を、別の言い方ではっきり分けます。
だから英語にする前に、自分がどちらを言いたいのかを決めておく必要があります。
日本語のままだと、決めないまま最後まで話せてしまう。
なぜ倍率だけ曖昧になるのか。パーセントは「増えた分」の単位として定着していて、
「2割増えた」に迷う人はいません。一方で倍率は「なったあと」の単位として定着しています。
つまり「2倍増えた」は、なったあとの単位を、増えた分の言い方に差し込んでいる。
だから書いた人と読んだ人で、ずれます。
場面を1つずらすと
不良率が半分になりました。
The defect rate has halved.
減るほうにも同じ言い方があります。halved で「半分になった」。
今日ひとつ
手元の資料で「2倍」と書いてある箇所を、1つ開いてみてください。
それが 200 なのか 300 なのか、決まっているでしょうか。
決まっていなければ、そこがそのまま英語で詰まる場所です。
英語力の問題ではなく、まだ決めていないだけなので、決めれば通ります。
来週は別の職場から。新しい場面の1フレーズをお届けします。
納期と、納品したあと
・お届けまで5日(お急ぎ仕上げの有料オプションで2日以内)
・同時にお受けするのは3件まで
・納品後の修正は1回まで承ります(文の差し替え、読み方の調整)
読み方のご指定があれば、その通りに発音するよう調整します。
ご指定の無い専門用語や製品名も、納品前に読み間違いがないか確認しています。
なお、レッスンや個別指導は行いません。教材の制作のみです。