会議室です。ホワイトボードに今期の目標が書いてあります。
海外の同僚に、進み具合を聞かれました。
言いたいのは、これです。
目標まであと2割です。
3秒、考えてみてください。
答えです。
We're twenty percent short of the target.
「あと」を訳そうとすると、止まります
「あと」にあたる1語を探しても、見つかりません。
英語は「足りない」という言い方に組み替えます。
short of で「〜に足りない」。だから「あと2割」は、
「目標に対して2割足りない」と言い直すことになります。
そして、日本語には無い作業がもう1つ要ります。主語を決めることです。
・We're twenty percent short. → わたしたちが足りていない
・It's twenty percent short. → 数字が足りていない
・We have twenty percent to go. → あと2割ぶん、進む余地がある
日本語の「目標まであと2割です」に、主語はありません。
誰の話なのかを言わずに済みます。英語は文にする時点で、必ず選ばされる。
しかも、選び方で見え方まで変わります。
We're short は自分たちの話として引き受けた言い方、
It's short は数字の説明に留めた言い方です。
同じ日本語が、態度の違う3つの英語に割れる。
なぜ「あと」だけ訳せないのか。「あと」は差だけを言って、基準を言わずに済む言葉だからです。
「あと2割」は、何に対しての2割かを言っていません。目標があることは場が知っているので、
言わなくていい。英語は short of the target と、基準のほうを必ず口に出します。
だから「あと」に対応する1語は要りません。**基準を言葉にした時点で、あとは
足りない(short of)か残っている(to go)かを選ぶだけ**になります。
単語を探すのをやめて、文の形を変えにいく。訳せない語に出会ったときの、いつもの出口です。
進捗の報告でここを無自覚に選ぶと、責任の所在まで一緒に伝わってしまいます。
場面を1つずらすと
締め切りまであと3日です。
Three days to go.
同じ「あと」でも、期限なら to go や left が自然です。
足りないのではなく、残っている。日本語の「あと」は、この2つも兼ねています。
明日は
「不良率が2倍になりました」。「2倍になった」と「2倍増えた」は、英語だと違う数字です。
難易度は、あとから決められます
CEFR の A2〜C1、英検の級、TOEIC のスコア帯、使う文法項目。
どれで指定していただいても構いません。
市販の教材は入門の一周としては優秀ですが、レベルの刻みは棚に並んだ分しかありません。
文をこちらで起こすので、いま詰まっているところに合わせて上げ下げできます。