Raspberry Pi、気になる性能は?
Raspberry Pi をデスクトップ PC 代わりに利用することは可能です。しかし、気になるのはその性能です。この記事では、気になる Raspberry Pi の性能についてまとめてみました。
ベンチマーク
コンピュータの性能を測るのに、よく利用されるのが「ベンチマーク」と呼ばれるものがあります。 要は、CPU を含むコンピュータの性能を測るためのプログラムです。
いろいろな、ベンチマークがあるのでこのプログラムを実行すると性能の比較ができます。
性能を比較するとすると対象になるは、インテルの CPU を搭載した PC と比較できると色々と参考になるかと思います。 しかし、意外に両方で共通に実行できるベンチマークは意外に少ないので今回はベンチマークを利用するのは諦めました。
ところで、ベンチマークにはいろいろな「思惑」があります。 例えば、CPU を開発する立場で考えた場合、CPU の性能を示すのには都合の良いものです。逆に言うと、CPU を設計する際にはより良い、ベンチマークの数値が出るように設計しているのも事実です。
もう一つの問題は、何の性能を測るベンチマークかを知る事も重要です。
ベンチマークには、CPU の演算性能(計算能力)を測るための場合もありますし、メモリの性能(書き込みや読み込みの速さ)だったり、GPU(画面の書き換えなどの性能)、あるいはネットワークの性能だったり、目的によって色々なプログラムが存在します。
確かに数値が良いのはコンピュータを選ぶ上では大切な事ですが、何が本当に必要な性能かを考える必要もあります。
そう考えると、単にベンチマークの数値を並べるよりは、もう少し実践的な性能を考えた場合の方が良い場合があります。
実際に利用するアプリで測る
実際に「感じる」性能を考える場合、実際に利用しているアプリでの性能を調べるのが一番です。 そこで、一つの例として、Vue.js のイメージを作成する時間を比較するという方法で比較した例を紹介します。 ある Web サービスのフロントエンドの実装を Vue.js で作りました。この公開用のイメージを作成する時間を比較してみました。
この方法は、以前、M1 チップを搭載した Mac の性能を比較するために使ったものです。
今回購入した、Raspberry Pi 4 は 8GB のメモリを搭載したモデルです。イメージの作成に約 40 秒かかりました。 以前、M1 Mac(8GB)の数値は約 22 秒でした。M1 Mac との価格差を考えると当然の結果です。 ちなみに、その際比較に利用した、古いラップトップ(Intel Core i3 4005U/4th Gen, Windows10 20H2)の数値が約 40 秒でした。 つまり、Raspberry Pi 4 の基本性能は、2013 年末(約 8 年前)のモバイル CPU と同等の性能という事になります。(システムとしては、2014 年から 2015 年にリリース)
という事で、最新の CPU を搭載したシステムとは比較にならないというのがデータから分ります。
Raspberry Pi は実用にならないか?
実際に性能の数値を見てしまうと、ちょっと!と思ってしまいます。 しかし、Raspberry Pi は実用にならないのでしょうか?
答えは用途によります。
特に、プログラムの入力など、「人間の打ち込みスピード」が支配的なので、コンピュータの性能はそれほど大きな問題ではありません。
性能が物を言うのは、イメージの作成やコンパイル、コードの実行などは CPU の処理性能やメモリへのデータの転送性能が重要になってきます。ただし、時間が少し余計にかかるだけで、待てる場合には大きな問題ではありません。
従って、Raspberry Pi は、上手く利用すれば十分に「実用」になるコンピュータと言う事ができます。
実際に値段を考えれば、最新の PC と互角の性格を求めるのは難しいのは現実です。しかし、使い方をうまく考えれば安価で魅力的なコンピュータです。
Raspberry Pi を利用するメリットは?
では、Raspberry Pi を利用するメリットとは何でしょうか?
一つには、手軽に OS を入れ替えることも可能なので、いろいろ実験用途には便利です。 また、マイクロ SD カードを OS を保存するのに利用しているので、マイクロ SD カードを用意すれば、いろいろな OS やいろいろな設定環境で利用できるのは便利です。特にマイクロ SD カードは小さいので、いろいろな OS のカードの保存場所を取らないので、使い方に応じて簡単に変身するさせる事ができます。
もう一つは、消費電力は一般的な PC よりは少ないのも魅力です。性能がやや落ちますが、電気代も節約できるというわけです。従って、冷却に利用するファンも小さくてすみます。ファンも静かに設定できる場合も多く、利用していても快適に資料できるのも大きな魅力です。ケースも超小型で場所も取りません。
など、挙げると良いことも沢山あるあります。
既に、メインで利用する PC を既にお持ちの場合には、二つ目のコンピュータとして導入するには良いモデルと言えるのではないでしょうか? メモリやストレージの容量にもよりますが、1 万円から 2 万円でケースも含めて手に入るので安価です。
まとめ
Raspberry Pi の性能は一般的に市販されている PC と比べると同等とは言えません。 値段を考えると当然の事ですが、その分、価格も安く、消費電力も小さく、小型です。
殆どの作業を行うには十分な性能を持っているので、十分実用になる性能です。CPU での処理が中心の場合には、多少待ち時間が長くなる場合もありますが、メインの PC とうまく住み分けて利用ができれば大きな戦力になる場合が沢山あります。
特に、サーバー側の Linux の設定や利用の学習には最適なコンピュータです。
性能は比べるすべもありませんが、最低限の性能は備えています。Raspberry Pi をどう生かすかはあなた次第です。