国語講師のひとり言「脳内の負荷を下げましょう」

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コラム
『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
論説文は2つの事柄を対比させながら論じることが多いですよね。

AとBを比較しながら話を進め、最終的には推しのAならAをプッシュして終わります。

先日、外山滋比古さんの『ことばのある暮し』から出題された説明文の問題を解説しました。

読み方について「アルファー読み」と「ベーター読み」の2つがあると提唱し、現代の国語教育が2つの違いに意識的でない点を問題視する内容です。

生徒にとってはいずれも初めて目にする用語であり、それぞれどんな意味なのかも問題を解くときに初めて知ったばかり。

もちろん2つの用語の定義は、筆者がていねいに説明しています。

小学6年生なら「さっぱりわからん」とお手上げになるほど読みにくくはありません。

しかし初めて知った2つの用語の定義を頭に入れながら、それに関連してさまざまな角度から聞かれる設問に答えるのは至難のわざ。

脳内に2つの用語の定義を保持しながら、同時にややこしい問題を解く作業を行うのは、マルチタスク並みに負荷がかかるのは容易に想像できます。

そこで役に立つのが図です。

図と言っても本格的なものではなく、対比される2つを並べて書き、それぞれの定義を簡単にメモする程度。

脳内にあるものを紙に転写するだけで、びっくりするくらい問題を解くのがラクになりますよ。



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