『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。ですのでタイトルも「ひとり言」。日々の指導で気づいたあれこれを綴ります。』
ぬき出し問題、最近の子はけっこう苦手ですね。
文中の言葉を使って60字とか書かされる記述問題に比べれば、文章中にまんま答えが出てるわけですから、解きやすいかなと思うのですが…。
いろいろ原因はあるでしょうが、指導していて感じるのは1行に含まれる字数のイメージのずれですね。
「今解いてる問題の文章、1行何文字入ってると思う?」
時々私はそんなふうに問いかけます。その際必ず、
「数えなくていいからね。勘で答えてみて」
と付け加えるのを忘れません。
そうやって答えてくれた文字数は、たいてい実際のものより3割少ない印象です。
たとえば四谷大塚の合不合判定テストは2段組みで印刷されていますが、1行に29字入っています。
たとえば「35字でぬき出しなさい」と言われたら、2行だと大幅オーバー、1行ちょっとの部分が該当箇所となるわけですね。
おおまかにでも字数のイメージがつかめていないと、「ここかな?」と見当をつけた際に、
──あ~、この部分じゃ全然(字数が)足りないよ
と勘違いしがちです。
文字を数えるのをめんどくさがる子が多いですから、数えもせずに「短い」と思い込んで、せっかく見つけた正解の場所からそそくさと離脱。
一度離れてしまえば、テスト時間中に戻ってくるのはほぼ不可能です。
印刷された文章は、1行の字数が思ったより多い
たったこれだけのことを意識するだけで、ぬき出し問題の正解率は改善されるはずです。
字数を制する者が入試を制す
私が今即席で作った格言ですが、あながちガセとも言えないのではないでしょうか。