状況によってステレオタイプが強化されて能力が低下するということってあるの!?

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今回は状況によって能力が左右されてしまうという話です。

多分、そういうことって誰でも経験があると思いますが、「いや、そんなことはない」と思っているかもしれません。

それは無意識に起こることなので、当然です。

例えば、偶然頭のすごい良い人たちと話す機会があって、いつも通りすらすら言葉が出てこなかったりとか、言われれば思い当たることがあると思います。

で、「そんな馬鹿な」と言いたくなりますが、今回は実際にそういうことが起きるという研究を紹介します。

男性がいるだけで能力が低下してしまう!?

トロント大学のマイケル・インズリクトたちは、女性と男性が接触する環境では女性は問題解決能力が低下してしまうのかについて調べた。

2つの研究でこれらの問題を調査した。

参加者に、3人のグループで難しい数学または口頭のテストをしてもらった。

各グループには、参加者は同性(女性だけ)(同性の条件)または異性(男性)(少数の条件)の2人を追加して行った。

その結果、全員女性グループは、男性が1人含まれる女性グループよりも成績が良かった

さらなる調査によって、女性の能力の低下は男性の数に比例することがわかった。

男性が2人で女性が1人のグループは、2人の女性と1人の男性のグループの方が成績が良かった。

つまり、女性の数が減るに従い、成績が悪くなっていったのです。

男性がいることで、無意識に自分は女性と考え、だから数学はできないと思い込み、力が低下したのだと思います。

バカな女性を見るだけで自分もバカになってしまう!?

カリフォルニア大学のクロード・スティールたちは女性のステレオタイプを引き出すように設計された性別ステレオタイプのテレビコマーシャルに参加者に観てもらい、ステレオタイプの脅威に対する脆弱性が女性に表れるのかどうかを調査した。

男子学生と女子学生ともに、メディアの研究の一環として、6本のCMを観てもらった。

このうち、半分の学生たちには、6本のCMのうちの2本に「パーティ好きの女子大生」など頭の悪い女子というステレオタイプを含むCMを観てもらった。

残りの半分が観た学生たちのCMには性的なステレオタイプは含まれていなかった。

CMを観た後、ある大学院生を助けるためという名目で、認知能力と数学の問題を好きなだけ解いてもらった。

その結果、ステレオタイプを強調したCMを観た女子学生たちは、見ていない女子学生たちよりも取り組んだ問題の数が少なく、正答率も少なく、理数系の専攻やキャリアに特に興味がないと答えた。

多分、ネガティブなステレオタイプが思い起こされて、数学の成績が下がり、理数系のキャリアに関しても興味が低下したのでしょう。

ちょっと一言

そんな馬鹿なと思いますけど。

でも、僕自身はすごくなんかわかります。

というのも、僕は誰がどう見ても障害者だとわかりますので、他の人から障害者のこと(例えばパラリンピックのこと)とか話されるとなんだかすごく嫌な気持ちになります。

つまり無意識にネガティブなステレオタイプを意識させられていると今知ってすっきりしました。

上記の実験では、「女性のステレオレオタイプ」でしたが、「背が低い」「太っている」とかのステレオタイプだったら、運動が苦手とか関連していたりするかもしれません。

「女性は数学が得意じゃない」というのは多くの人が思い込んでいるからよく実験に使われるだけのことで、他にもたくさんあるかと思います。

「なんかいつもと同じように能力が発揮できないな」と思ったら、それは何らかのステレオタイプの脅威が影響しているせいなのかもしれません。

その時は当時の振りかえると何か気づくことがあるかもしれません。

参考文献
A Threatening Intellectual Environment: Why Females Are Susceptible to Experiencing Problem-Solving Deficits in the Presence of Males
Clearing the air: identity safety moderates the effects of stereotype threat on women's leadership aspirations

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