春土用の入り
本日、4月17日から春土用に入ります。
「土用ってさ、夏にウナギ食べるアレでしょ?」
と考える方も多いと思いますが、実は年に4回の土用があります。
「土用」とは、季節の変わり目の前、約18日間のことです。
季節の変わり目というと、立春・立夏・立秋・立冬のこと。
ウナギを食べるのは「夏土用」の期間、立秋前の18日間ですね。
「土旺用事」(どおうようじ)が略されて「土用」となりました。
そもそも「土用」って何なの?
これには古代中国の陰陽五行説が由来しています。
五行説は、「全てのものは木・火・土・金・水の5つから成り立っている」という思想で、季節については「木=春」「火=夏」「金=秋」「水=冬」を象徴しています。
季節は4つですので土が残ります。
季節が割り当てられていない「土」は、なんか仲間外れのように感じるかもしれませんが、実は大切な役割を果たしています。
五行思想的には「土」というのは、土にまかれた種が発芽して育つことから『大きな変化を促し、保護する働きがある』とされます。
なので、季節のエネルギーが移り変わる際、間に緩衝として「土」が入り、大きな摩擦等が起きずスムーズに移行できるようになっていると考えられています。
現実でも季節の変わり目には、暑くなったり寒くなったりを何度か繰り返して移り変わっていきますもんね。
「土用」の期間にしてはいけないこと
「土用」の期間中は、土いじりをしてはいけないとされています。
これも陰陽五行説に関わりますが、土用の期間中には土の中に「土公神(どくしん・どこうしん)」と呼ばれる神様がいらっしゃるので、動かすと怒りに触れて災いが降りかかるといわれています。
昔から引っ越し、地鎮祭、造園関係、柱立て、基礎工事、上棟、壁塗り、井戸掘りなどは土用にやってはいけないといわれてきました。
建築関係のお仕事をしている方はご存じかもしれませんね。
「土用」期間中でも土いじりOKな日がある
では18日間も、まったく土いじりしてはいけないのか?というと、実はそうでもないのです。
土用の期間中には「間日」(まび)と呼ばれる日があって、この日は土公神が天上界に帰っているので土いじりをしても良いとされています。
ちなみに、それぞれの土用で間日とする日は決まっています。
春の土用の間日 ⇒ 巳・午・酉の日
夏の土用の間日 ⇒ 卯・辰・申の日
秋の土用の間日 ⇒ 未・酉・亥の日
冬の土用の間日 ⇒ 卯・巳・寅の日
「土用」には何を食べる?
土用といえば「丑の日」のイメージですが、それは夏土用のことです。
春土用は「戌」、夏土用は「丑」、秋土用は「辰」、冬土用は「未」の日に、それぞれの日の頭文字のつく食材を食べると良いとされていて、それらも陰陽五行説に由来しています。
また、陰陽五行説では、春は青、夏は赤、秋は白、冬は黒と、季節ごとの色も決められており、季節の色と反対の色の食べ物を食べるのも良いとされています。なので、春は秋の色の白い食べ物、秋は春の色の青い食べ物を食べると良い、ということですね。
土用は季節の変わり目で、体調にも変化が起こりやすい時期です。
そこで昔から、季節にあった養生法が行われており、食養生も行われていました。
その季節にあった食材を取り入れて健康的に、元気に過ごそうということですね。
春
土用の「戌」の日に、
「い」のつく食べ物・・・いちご、いわし、イカ、インゲン豆、いなり寿司など
白い食べ物・・・大根、しらす、豆腐、うどん、餅など
夏
土用の「丑」の日に、
「う」のつく食べ物・・・うなぎ、瓜、梅干し、うどんなど
黒い食べ物・・・うなぎ、ドジョウ、シジミ、ナス、黒豆、黒ゴマなど
秋
土用の「辰」の日に、
「た」のつく食べ物・・・玉ねぎ、タコ、大根など
青(緑)の食べ物・・・青魚(サンマ、サバ、イワシなど)、ピーマン、キュウリなど
冬
土用の「未」の日に、
「ひ」のつく食べ物・・・ひらめ、ひりゅうず、ひじきなど
赤い食べ物・・・トマト、パプリカ、いちごなど
今年の春土用の戌の日は4月27日(水)です。
この日に「い」から始まるものや、白いものをいただくと良いですよ!
そう思いながら、我が家に何かあるかな?
と、見渡してみたところ・・・
「い」から始まるものは「板チョコ」「芋焼酎」
白いものは「米」「食パン」
これだけでした(笑)
ここのところ、土用らしく暑かったり寒かったりしています。
体調管理には万全の注意を。
そして素敵な日曜日をお過ごしくださいね。