なぜ24時間テレビは叩かれるのか。障害者目線から考える

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福祉を目的に1978年から開催されている、日本テレビ系の「24時間テレビ iは地球を救う」。インターネットの普及とともにたくさんのタレント(主にジャニーズ)を長時間出演させ、障害者や難病を患っている人たちが挑戦する姿勢を見せ、感動を集めて募金をさせる方法は多くの批判を浴びています。
なぜ、ここまで、毎年放送のたびに叩かれるのでしょうか?

感動の押し付け

24時間テレビの批判で最も多いのが、障害や難病などハンディキャップを乗り越えての挑戦をテレビで見せる。それにより視聴者に「感動しろ!」という押し付け感を嫌がったり、わざと挑戦させている企画などを「偽善」と揶揄する人が多いそうです。

障害者が山を登るためにコツコツと訓練をし、専門家がコースを作って医師が同行。さらに挑戦する人のために様々なボランティアが同行する。

健常者から見れば、まず誰だって山に登りたいと思うし。ちゃんとしたサポートがあれば、自分も登る。それをテレビで流して、どうして募金を集めないといけないのか。

放送中に行われる様々な挑戦、企画の全てがアンチから見れば「こんなに金をもらってわがままの実現じゃないか」と思うのではないだろうか?

出演者へのギャラ

海外でもチャリティー番組は多く作られていますが、ほとんどの番組はノーギャラで出演しています。
いっぽう、24時間テレビはチャリティ番組と言いつつ、出演者にはギャラが支払われているようです。

これはチャリティーパーソナリティを務めたタレントが、過去にブログであげたことにより一気に世間に広まり一部のネットユーザーから批判を浴びています。

過去には明石家さんまさんに出演依頼が来たものの、ギャラを支払うという話になりさんまさんが激怒して断ったという話も有名です。

しかし、あれは「チャリティーを呼びかける番組」というのが正しいかもしれません。
実際に募金するのはテレビを見て、あるいは買物した店で募金箱を見つけ募金した人であり、あの番組は「募金をお願いしています。こういう人を一人でも多く助けたい」というのが趣旨のはずです。

さらに26時間前後、多くのタレントが拘束されるので、全くのノーギャラ、無償で仕事をさせることは労働基準法などにかかるのではないか?


たぶん健常者は知らない、募金の使い道


今年の募金総額は8月23日午後8時現在、5億5200万5762円でした。
これは協賛する店頭や放送局、テレビ局などで集められた募金で、さらに協賛企業からの募金、また9月30日まで銀行振り込みを受け付けているため10億円以上になるそうです。

この募金から出演者に高額なギャラが支払われている。
マラソンランナーには1000万円のギャラがある。

などという噂もありますが、実際に募金はリフト付き車の他、電動車椅子や福祉、介護用品などに使われているようです。
というのもボクは障害があり、過去に障害者施設に居ました。そこで実際に24時間テレビの色とマーク(当時は屋根と下部が青(紺)の塗装があった)車がありました。

現在は白に青い鳥のデザインに変わっており、筆頭協賛企業、日産のキャラバンの他、ミニキャブ、トヨタやマツダの軽ワゴンが寄贈されています。

5億、10億の募金から出演者のギャラを払っても残り9億の募金はちゃんと使っているのかは詳しく分かりませんが、実際に色々なところで車を見るのでちゃんと福祉に使っているようです。

しかし、病院や障害者施設、介護施設に行かないと車や電動車椅子、リフトなどを目にすることがないでしょうから「募金ってどこに使っているのか?」と不確かなデマや噂が流れても仕方ないと思います。


なぜ批判をするのか?

偽善番組、感動押し付け番組と嫌われている24時間テレビですが、障害者から言えば迷惑な番組です。

障害者といっても千差万別。頑張って障害を乗り越えよう、色々なことに挑戦しようという人もいれば、とりあえず今のままでいいという怠けものもいます。

そんな人にとっては、24時間テレビを見たからって偽善とも思わないし、
「こんな障害がありますよ。こんなことに挑戦する障害者がいますよ」
という情報を得るだけです。

だからと言って、障害者が全員聖人君主ではありません。努力家がいれば、怠けものもいます。
この番組に出て頑張る人は、障害がなくてもプロのアスリートになったり、オリンピックに出れるレベルの人です。

努力するアスリートを見せて、彼らはスポンサーがいないので活動を支援するために募金をお願いします。と考えれば特に感動の押し付けであっても、ネットや世間で批判するようなものではないでしょうか?

アスリートの特集番組だって感動の押し付けだし、最近はクラウドファンディングや金銭面が苦しいから寄付をお願いします。と番組でお願いするアスリートもいます。

24時間テレビを特別に見るのではなく、感動ドキュメンタリー番組としてみれば、少しは変わってきませんか?
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