最近、ココナラでYoutubeにアップした動画を文字に起こし、
提供するという仕事をしています。
テープ起こし・動画の文字起こしを請け負います
こちらのサービスに、現在料理の紹介動画の文字起こしを依頼されています。
そして作業中、ふと思ったのが
“混ぜる”と“和える”の違いです。
この2つで悩むことになったのは、まず「サーモンとオリーブオイル、水300ml、ローズマリー」をボールに入れて混ぜた工程と、「豚挽肉、リンゴ、サーモン」をミキサーで混ぜた工程です。
まず「サーモンとオリーブオイル、水300ml、ローズマリー」をボールに入れて混ぜた工程を
“和える”としました。
次に「豚挽肉、リンゴ、サーモン」をミキサーで混ぜた工程を
“混ぜる”としました。
今回は手で和えたか、ミキサーで混ぜたかの違いですが、別に最初の工程が「混ぜる」でもいいとも思うし、混ぜるではなく「和える」のほうが適しているとも思います。
和えるとは
料理用語の一つ、「和える」という言葉は料理を全くしない人でも聞き慣れた言葉だと思います。
特にごま和え、白和えなど小鉢料理として和定食に一品ついてくることも多いですよね。
作った人は分かると思いますが、ごま和えはほうれん草や小松菜などの野菜とごま、しょうゆと砂糖をみりん、ほんだしのような顆粒の和風だしを混ぜたものです。
白和えも野菜と水を切った豆腐を混ぜます。
どちらも「混ぜている」のに、ごま和え、白和えという名称です。
じゃあ和えるってなに?と思い、ネットの国語辞書で調べたところ、
「和える…野菜や魚介などに酢・味噌・ごま・からしなどを混ぜ合わせる」とあります。
要は「混ぜる」ってこと!?
混ぜると和えるの違いをネットで調べていくと、
「mix」、「blend」、「stir」、「whip」の違いを紹介する記事にたどり着きました。
分離できない状態に混ぜることをmix、和えるときはtoss、完全に混ぜていい物を作る場合はblend、液体を混ぜる場合はstir、そして固まるまで強くかき混ぜることをwhipというそうです。
日本語に言い換えるとmix、blend、stirの3つは混ぜる、tossが和える、whipはかき混ぜるとなります。
和えるの語源
なぜ、野菜や魚介などに調味料を混ぜ合わせることを“和える”というのか?
和えるに使われている「和」という文字は「平和」、「和解」などの言葉に使われ、訓読みでも「和やか」と読むように柔らかい・優しいイメージをボクは持っています。
この「和」という文字は「禾」の部分が軍門を立てる標識を意味し、「口」の部分は誓いの文書を入れる箱を指します。
本来なら「合える」でもよかったのだけど、数を合わせるとニュアンス・意味合いが微妙に異なるのでこの「和える」を当てたのではないかと解釈している国語学者もいます。
敵対する軍が和解を結ぶ行動が、全く異なる具材を混ぜて一つの料理にするという意味に転用されて「和える」という言葉になったのだとボクは思います。
元の字は「咊」
「和」の部首はのぎへん(禾)ではなく口なんです。
この禾はイネ科の植物「アワ」の穂が実って、首を垂らしている様子を漢字にした象形文字です。
そのため、穂の他にも秋、種、稲など穀物に関わる感じに使われています。
一見穀物と関わりのない「税」も昔は収穫した作物を税として納めていたので、「禾」が使われています。
しかし「和」という文字は元々、禾と口が左右反対の「咊」という文字でした。この漢字だと、部首は「口へん」になります。
なぜ入れ替えたのかということを調べてみましたが分かりません。
もちろん、戦後の1949年(昭和24年)に内閣のそれまでの複雑な字体(旧字体)を簡単な字体(新字体)に改める「当用漢字字体表」を発表しました。
例えば水戸黄門で有名な徳川光圀の「圀」を「国」としたり、「學」を「学」としたり誰もが書きやすい漢字にしたのですが、これに「咊」を「和」とするとなっていたそうです。
「和える」と「混ぜる」の違いについて、ボクなりの結論
今回、「和える」という言葉を色々調べてみた結果、2つ以上の食べ物の形が変わらない程度に混ぜることを「和える」、形が変わって一体化にするくらい混ぜることを「混ぜる」と使い分けることにしました。
料理をする人には「当たり前」または「分かっている」と思うよな内容かもしれませんが、これから料理を始めようとする方、またりょうりのぶろぐを始めようとする人の参考になればと思います。