皆さん、こんにちは!
メンタルヘルスナビゲーターのKOUです
さて、今日は前回の「こころの不調と向き合う『うつ病治療』最近の話題」のシリーズの続きで、vol.4~vol6をお送りしようと思います。
vol.4 うつ病の原因因子の発見
15人に1人が経験すると言われるうつ病。コロナうつの増加が心配され始めた今年の6月、「うつ病の原因遺伝子が発見された」というニュースが飛び込んできました。アメリカの電子科学誌『アイサイエンス』のその成果を発表したのは、東京慈恵会医科大学ウイルス学講座の研究チームで、ヒトに感染するヘルペスウイルスの中の「ヒトヘルペスウイルス(HHV-6)」がうつ病の原因になるメカニズムを解明したのです。
研究チームを率いる同大学の近藤一博教授は2017年にHHV-6の研究を通して、疲労の原因となる「疲労因子」をはじめて解き明かし、疲労の数値化を可能にしたヘルペスウイルス研究の第一人者です。
HHV-6は赤ちゃんの時に感染し、人間なら誰でも持っているヘルペスウイルスだそうです。HHV-6には、「A」と「B」の2種類があり、うつ病に感染するのはHHV-6のほうですが、ここでは単に、HHV-6と表記します。
このHHV-6が口から鼻を通って、脳の中の匂いをを司る「嗅球」に感染し、潜伏します。ここでHHV-6は「SITH-I(シスワン)」というタンパク質を産出するのですが、このSITH-Iがうつ病発症のカギを握っているというのです。
vol.5 早期治療につながることへの期待
うつ病患者84人とうつ病でない人84人を対象に、SITH-Iの有無を調べる抗体検査をおこなったところm、うつ病ではない人の抗体陽性率が24.4%だったのに対して、うつ病患者の抗体陽性率は79.8%と高い割合でした。一連の調査でSITH-Iの陽性者は陰性者に比べて12.2倍もうつ病になりやすく、また、少なくとも8割の患者がSITH-Iによる疲労やストレスの脳への影響によって、うつ病を発症したことが分かったというのです。これらの結果から、SITH-Iがヒトのメタゲノムとして、うつ病の発症に影響する遺伝子であることが明らかになりました。
研究チームによれば、これまでの研究では、SITH-Iの算出されやすさに男女差はなく、身体的な特徴も見られなかったといいます。SITH-Iがどのような人で産出されやすいかは、今後の重要な課題だとのことです。[SITH-Iの発見を実用化するとしたら、何か]という問いに、研究チームは企業の健診などがあげていました。SITH-Iが陽性かどうか調べれば、ストレスへの耐性度がわかり、健康指導に活用できそうです。
今後は「SITH-Iのうつ病発症のメカニズムが見えてくる可能性が高く、このメカニズムが発見された時こそ、本当にうつ病特効薬の開発が可能になると考えられる」と研究チームのウイルス学講座公式サイトの「FAQ」に綴られていました。
近藤教授は、うつ病を含めて疲労やストレスによる健康障害を予防することを目的に、疲労やストレスを正しく理解してもらおうと、マンガで解説した『疲労ちゃんとストレスさん』(河出書房新社2019年)を上梓しました。疲労には2種類あることや疲労測定方法、うつを早期発見する方法など、役立つ情報が満載です。
vol.6 不安な気持ちを手放すために
急激な環境変化に対応することは、誰にとっても簡単なことではありません。適応障害に近い状態になるのも、無理はないと考えていいのではないのでしょうか。
これからますます日照時間が短くなり、物寂しくなる季節がやってきます。鬱々として気分が落ち込んでしまう季節性感情障害も起きやすくなります。不安や憂鬱な気持ちに、どう対処したら分からなくなったときに、話を聞いてくれる相談窓口があります。
※こころの悩み相談室※
東京メンタルヘルス・スクエア「こころのほっとチャット(正午~16時、17時~21時)」:LINE,Twitter,Fecebookを使用したチャット形式のSNS相談
※自殺対策支援センターリンク「生きづらびっと」
(月火木金日17~22時半)、水11~16時半/終了30分前まで受付:LINEを使用したチャット形式のSNS相談
※社会的包括サポートセンター「よりそいホットライン」(24時間)0120-783-556、岩手、宮城、福島県からは、0120-279-226
※日本いのちの電話連盟(16~21時)、毎月10日は8時~翌日8時):0120-783-556
※日本臨床心理士会・日本公認心理士協会「新型コロナこころの健康相談電話(12月末まで、月~土10時~13時):050-3628-5672
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【考察】
「うつ病治療」最近の話題vol.2は、いかがでしたでしょうか。うつ病の原因因子のひとつにヘルペスウイルスが関係あるというのは、今まで私も知りませんでした。
私の祖母も、ヘルペスで長年痛い思いをしていますが、ヘルペスはなかなか治りにくいと言われています。帯状疱疹で皮膚に赤みが発疹が出たときには、酷い痛みに苛まれるそうです。
こういったウイルスがSITH-Iが陽性であれば、誰がいつなってもおかしくない話ですよね。特に赤ちゃんの時に感染するということで、ママは赤ちゃんに対して十分な感染対策をしなければなりません。
もし、現在も「新型コロナウイルス感染症」やストレスや疲労が原因で「うつ病」を発症している方(もし、その疑いがある方)には、上記の相談窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
医師は薬は出してくれますが、じっくり時間をかけて、こころの相談までしてくれる精神科医・心療内科医は、ほとんどいません。不安な気持ちを手放すために、まずは深呼吸して勇気をもって電話してみることをお勧めします。
誰かに悩みを告白して、聴いてもらえるだけでも不安な気持ちからは解放されます。ひとりで悩まず、あなたに合った解決法のアドバイスをしてくださると思います。
(次回はシリーズ最後のvol.7 「心身医療の現場から」)をお届けします。
最後までご高覧ありがとうございました。