請負契約とは?契約形態の特徴と業務委託契約との違いを解説

請負契約とは?契約形態の特徴と業務委託契約との違いを解説

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コラム
仕事を外部に依頼するとき、「業務委託契約」という言葉がよく使われます。

しかし、法律上「業務委託契約」という名称の契約が一つの類型として定められているわけではありません。

実際には、その契約内容によって「請負」「委任」「準委任」などに分類されます。

今回は、その中でも非常によく利用される「請負契約」について、その特徴を解説します。

請負契約とは

請負契約について、民法632条は次のような内容を定めています。

請負人が「ある仕事を完成すること」を約束し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払う契約です。

ここで重要なのが、「仕事の完成」が契約の中心となっているという点です。

例えば、

* ホームページを制作する
* システムを開発する
* 建物を建築する
* 動画を制作する
* デザインを完成させる
* 原稿を制作する

といった契約では、請負契約として構成されることがあります。

単に「作業をする」のではなく、一定の成果を完成させることが求められる契約です。

請負契約の最大の特徴は「完成義務」

請負契約を理解するうえで最も重要なのが、**請負人が仕事を完成させる義務を負う**という点です。

例えば、100万円で会社のホームページを制作する契約を締結したとします。

請負契約であれば、基本的には「一生懸命ホームページを作ろうとしました」というだけでは足りません。

契約で定められたホームページを完成させることが求められます。

ここが準委任契約との大きな違いです。

準委任契約では、一定の業務を適切に遂行すること自体が契約の中心となるのに対し、請負契約では仕事を完成させることが契約の中心となります。

報酬は「仕事の結果」に対して支払われる

請負契約では、原則として仕事の結果に対して報酬が支払われます。

そのため、

契約締結 → 業務開始 → 仕事の完成 → 納品・引渡し → 報酬支払い

という流れが典型的です。

もっとも、実際の契約では必ずしも完成後に全額を支払う必要はありません。

例えば、

「契約時に着手金30%、納品時に70%」

「毎月一定額を支払い、完成時に残金を精算する」

といった支払条件を設定することもあります。

特に制作物やシステム開発などでは、業務期間が長期になることもあるため、契約書で支払時期を明確にしておくことが重要です。

「何をもって完成とするか」が非常に重要

請負契約では仕事の完成が重要だからこそ、契約書では何をもって完成とするのかを明確にする必要があります。

ここが曖昧だと、

注文者
「まだ完成していない」

請負人
「いや、もう完成しています」

という争いになりかねません。

例えばシステム開発であれば、

* どのような機能を実装するのか
* 仕様はどの資料によって確定するのか
* 納品方法
* 検収方法
* 検収期間
* 修正対応の範囲
* 仕様変更があった場合の追加料金

などを定めておく必要があります。

請負契約では、「完成」の定義が契約書の生命線になることがあります。

約不適合責任にも注意

仕事を完成させれば、それですべて終了するとは限りません。

完成した仕事の目的物が契約内容に適合していなければ、契約不適合責任が問題となることがあります。

例えば、契約上必要とされている機能がシステムに実装されていなかった場合などです。

このような場合、注文者から追完、報酬減額、損害賠償、契約解除などが問題となる可能性があります。

そのため契約書では、

「どの状態を契約内容に適合したものとするのか」

「不具合が発生した場合、どこまで無償で対応するのか」

「いつまで責任を負うのか」

といった点についても検討する必要があります。

請負契約と準委任契約の違い

実務上、判断が難しいのが請負契約と準委任契約の区別です。

大まかに整理すると、

請負契約=仕事の完成を目的とする契約

準委任契約=一定の業務を遂行することを目的とする契約

という違いがあります。

例えば、「会社のロゴを制作して納品する」という契約であれば請負契約として構成しやすいでしょう。

一方、「毎月SNSの運用を行う」「システムの保守・運用を継続的に行う」といった契約では、仕事の完成というより一定の業務を継続的に遂行することが中心となるため、準委任契約として構成されることがあります。

ただし、契約書のタイトルだけで判断されるわけではありません。

「業務委託契約書」と書いてあっても、契約内容が仕事の完成を目的としていれば、実質的には請負契約として評価される可能性があります。

## 一つの契約に請負と準委任が混在することもある

実務では、すべての業務をきれいに「請負」「準委任」のどちらかに分類できるとは限りません。

例えばシステム関係の契約でも、

システムの開発部分については請負、完成後の保守・運用については準委任、

という構成になることがあります。

Web制作でも、Webサイトそのものの制作は請負である一方、その後のアクセス解析やSEO運用、更新作業については準委任的な性質を持つことがあります。

そのため、契約書を作成するときには「この契約は請負契約です」と名前を付けて終わるのではなく、業務ごとの性質を確認することが重要です。

「業務委託契約書だから大丈夫」ではない

実務では、「業務委託契約書」というタイトルだけが先に決まっているケースをよく見かけます。

しかし、本当に重要なのはタイトルではありません。

何を依頼するのか。

どこまでやれば業務完了なのか。

成果物は存在するのか。

完成義務を負わせるのか。

報酬は何に対して発生するのか。

不具合や修正について誰がどこまで責任を負うのか。

こうした契約の実態を整理したうえで、請負なのか準委任なのか、あるいは両者が混在する契約なのかを検討する必要があります。

請負と準委任では、受託者が負う義務の性質そのものが変わります。

契約書を作成するときには、まず「この仕事では、何をもって約束を果たしたことになるのか」を考えてみるとよいでしょう。

そこを突き詰めていくと、その契約に適した契約形態が見えてきます。

南本町行政書士事務所では、業務内容や実際の取引方法を確認したうえで、請負・準委任その他の契約形態を検討し、実際の取引に即した契約書の作成を行っています。

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