捜索・差押えとは?警察はどこまで調べられるのか

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テレビドラマなどでよく見る「家宅捜索」。警察官が令状を持って自宅に入り、証拠品を探して持ち帰る場面です。

法律上、これは「捜索・差押え」と呼ばれる強制処分です。

今回は、捜索・差押えとは何か、その仕組みについて解説します。

捜索とは

捜索とは、犯罪の証拠物や犯人を発見するために、住居や建物、自動車などを調べることをいいます。

例えば、

被疑者の自宅を調べる
会社の事務所を調べる
車内を確認する
スマートフォンの内容を確認する

といった行為がこれにあたります。

憲法第35条は、住居や書類などに対する侵入・捜索を厳しく制限しており、原則として裁判官の発する令状が必要です。

差押えとは

差押えとは、犯罪の証拠となる物を確保するために押収することをいいます。

例えば、

パソコン
スマートフォン
通帳
契約書
現金
薬物
凶器

などが差し押さえられることがあります。

単に見るだけではなく、捜査機関が証拠として保全するために持ち帰る点が特徴です。

捜索と差押えはセットで行われることが多い

実務では「捜索差押許可状」が発付されることが多く、捜索と差押えは同時に行われるケースが一般的です。

警察官は、

令状を示す
対象場所を捜索する
証拠になりそうな物を発見する
それを差し押さえる

という流れで手続きを進めます。

令状があれば何でも持っていけるのか

そうではありません。

差押えが許されるのは、事件との関連性がある証拠物に限られます。

例えば、詐欺事件の捜査であれば、

取引記録
通帳
パソコン
スマートフォン

などが対象となるでしょう。

一方で、事件と無関係な私物まで自由に持ち去ることは許されません。

もっとも、現実には関連性の有無について幅広く判断されるため、多数の資料や電子機器が押収されることも少なくありません。

スマートフォンの中身も調べられる?

現代の捜査ではスマートフォンが重要な証拠源になっています。

LINEのやり取り、メール、写真、SNSの履歴などが事件解明につながることもあります。

そのため、スマートフォン自体が差し押さえられ、データ解析が行われることがあります。

近年では、スマートフォン一台の中に個人の生活情報のほぼ全てが記録されているため、プライバシー保護とのバランスが大きな課題となっています。

令状なしで捜索されることはある?

原則として令状が必要です。

もっとも例外的に、

現行犯逮捕の場合
緊急逮捕の場合の一定の条件下
所有者が任意に同意した場合

などには令状なしで行われるケースがあります。

ただし、例外は限定的であり、捜査機関が自由に捜索できるわけではありません。

憲法が守ろうとしているもの

捜索・差押えは犯罪捜査に不可欠な手続ですが、一方で個人のプライバシーや財産権を大きく制約します。

そのため日本国憲法は、裁判官による事前審査を経た令状主義を採用しています。

これは、

「警察だから何でもできる」

という社会を防ぐための重要な仕組みです。

犯罪捜査の必要性と国民の自由・権利とのバランスを取るために、捜索・差押えには厳格なルールが設けられているのです。

まとめ

捜索とは証拠や犯人を探す行為、差押えとは証拠品を確保する行為です。

いずれも国民の権利を制限する強力な処分であるため、原則として裁判官の発する令状が必要となります。

刑事ドラマでは当たり前のように描かれる家宅捜索ですが、その背後には憲法によって保障された重要な人権保護の仕組みが存在しているのです。

南本町行政書士事務所 代表 西本
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