CDやDVDが生まれる前、いえ正確にいえば、『DAT』と『MD』が最初のデジタル記憶媒体だと思います。DATやMDは今はみかけなくなりました。
それ以前は1968年に発売されたカセットテープ、ビデオテープというアナログ録音でした。
父は詩吟、追分の師匠だったので、幼児の頃から父が吟ずる姿をみてきました。
父は一日に数時間はカセットテープに録音していたため、私も遊びで歌って録音してました。当時、はじめて録音された自分の声を聴いたとき、自分の声には思えなかったものです。
似ていますが、録音した声と、自分が話すときの声は微妙に違います。
録音した自分の声が違って聞こえるのは、ふだん聞いている自分の声が「気導音」と「骨導音」の組み合わせで、録音された声は「気導音」のみのためだそうです。ほかの人が聞いている私たちの声も気導音のみなので、録音された声が「本当の私たちの声」に近いのだそうです。
幼い頃、家には真空管を使用したアンプのステレオがありました。
使い始めると温まるまでテンポがおかしいという点はありましたが、やわらかいぬくもりのある音でした。アナログレコードはレコード針を使用するため、雑音があります。ですが、音色が好きでした。
オーディオもデジタルになり、DATやMD、そしてCD、今は配信で聴く時代になりましたが、アナログと違ってとてもクリアに聞こえます。雑音もありません。ですが、なんとなく冷たさも感じてしまいます。
映像もまた、ビデオテープにくらべてDVDは美しく鮮明で音質もよいです。
カメラもフィルムからデジタルになりました。フィルムの写真にくらべてとてもきれいです。ですが、私個人としてはアナログの映像や写真も味わいがあって好きですね。
デジタルはCDやDVDだと傷つくと再生できなくなります。プロであればなにか修復できるのかもしれませんが、アナログだと市販されていた修復キットで、テープが切れても音飛びはしますが、修復できます。

また、私はデジタル時計よりもアナログ時計のほうが好きです。時間感覚の想像がしやすいからです。
メールやLINEよりも、「手書き」の手紙、メモは不思議と想いや考えを伝えられると思っています。ひとりひとりの書く文字も個性があります。
ある意味、生物の体は遺伝子というデジタルなもので、心はアナログなのかもしれません。
心も傷つき、立ち直れないと思うこともありますが、誰かのサポートで、傷が残り、トラウマになっていても、ある程度の回復もできるのではないでしょうか。
アナログはデジタルなものよりも、ぬくもりが感じられて、寛容で柔軟性があると私は考えています。
(了)
画像はイラストACさま・クリエイターは『アナログエンピツ君』さま
ありがとうございます。