棚卸しの数え方が、人によって違う。手順書を増やしてもうまくいかなかった話

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ビジネス・マーケティング
棚卸しについて、

「開けたばかりの食材を数える人と、数えない人がいる」

という悩みを見かけました。


同じ店舗の中でも、

担当する人によって解釈が変わる。


それを何十店舗分も集めて、
一つの数字にする。


この状態で数字が合わなくなったとき、

原因が店舗側にあるのか、集めたあとの処理にあるのか

を見分けるのは、思っていたより簡単ではありません。


ここからは、

私が実際に本部側でやったことを書きます。




 まず、全店舗を同じ様式にするのをやめました


店舗ごとのExcelファイルを、

プログラムで自動生成して配布していたことがあります。


量は、

月160本を超えていました。


最初に困ったのは、

店舗によって使っている設備や処理方法が違うことでした。


そこで、

店舗の種類に合わせて、

様式を2種類に分けました。


同じ様式を全店舗へ配ると、

そもそも入力できない欄が出てきます。


入力できない欄があると、

人は、

空欄にする。

似た意味の別の欄へ書く。

自分なりに解釈する。


そうすると、

集めたあとで数字を揃えるのが難しくなります。


様式を分けたことで、

「書く場所がない」という状態はかなり減りました。


でも、

それだけでは解釈までは揃いませんでした。




 次に、手順書を細かくしました


「解釈が違うなら、書き方をもっと詳しく決めればいい」

そう考えた時期があります。


注意事項を増やす。

例を足す。

例外を書く。


手順書は少しずつ厚くなりました。


でも、

厚くなるほど読まれなくなりました。


ここで、

「説明を増やせば揃う」という考え方をやめました


読む量を増やすより、

違っている場所をこちらで見つけた方が早い場合がある。


今は、そちらの考え方を使うことが増えています。




全部を見るのではなく、「違うところ」に印を付ける


現金管理の仕組みでは、

店舗から上がってきた報告が、

台帳のどの行とも一致しないことがありました。


以前なら、

集まった数字を一つずつ確認します。


でも件数が増えると、

正常なものまで毎回見ることになります。


そこで、

一致しないデータが来たときだけ、

自動で新しい行を作り、備考に印を残す

形にしました。


見る対象を、

「全部の行」

から、

「印が付いた行」

へ変えました。


これだけでも、

人が確認する場所をかなり絞れます。



## 紙の勤怠を読む仕組みでも、同じことが起きました

同じ考え方を、

紙の勤怠表を画像から読み取る仕組みにも使っています。


読み取り結果を、

最初から正しいものとして扱わないようにしています。


同じ画像を3回処理した実測では、

元画像と見比べた正解率が、

89%から99%。

平均すると、

93%前後でした。


同じ画像なのに、

3回とも同じ結果にはなりませんでした。


だから、

「読み取れた数字を全部そのまま使う」

という設計にはしていません。


代わりに、

確認が必要そうな行へ印を付けて、人へ戻す

形にしました。




97件を見る状態から、2件を見る状態へ


この確認方法を調整した結果、

一つの検証では、

確認が必要と判定された箇所が、

97件から2件

まで減りました。


別の本番データでは、

270行のうち159行

に確認が必要な状態から、

9行

まで絞れました。


重要なのは、

「全部自動で正解できるようになった」

ということではありません。


そうではなく、

人が全部を見る必要をなくした

ということです。


270行を確認する代わりに、

印が付いた9行を見る。


私が狙っているのは、

この状態です。




ただ、「どこに印を付けるか」は今も難しい


ここは、

まだ完全には決まっていません。


基準を厳しくすると、

印だらけになります。


そうなると、

結局すべて見るのと変わりません。


逆に緩くすると、

本当に確認すべきものを見落とす可能性があります。


だから今も、

案件ごとに、

どこまで自動で通して、どこから人へ戻すか

を調整しています。


どんな現場でも使える一つの基準を、

私はまだ持っていません。




 私が作りたいのは、「全部自動」の仕組みではありません


現場の業務ツールを作るとき、

私は、

すべての判断を仕組みに任せることより、

人が見る場所を減らすこと

を先に考えています。


全部を自動化できなくてもいい。


正常なものは通す。

怪しいものだけ印を付ける。

人は、その印が付いたところを見る。


手順書を増やして全員の判断を完全に揃えるより、

この形の方が続けやすい現場もあります。


私は今、

そういう順で仕組みを作っています。




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