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転校と変化

祖母の家に引き取られる前に一応母から一言あった。 「ママと暮らすなら又鍵っ子だけど、おばあちゃんとこに行けば必ず誰かいるし淋しくないよ。でも決めるのはマユだからね…」 と。 そんな事言われてもまだ実感がわかない。 しかし決めるのは私では無かった。 私の返事を待つ事なく、全ての手続きは終了した。 4月からは祖母の家から今までとは違う小学校に通うのだ。 友達の1人もいない知らない学校へ… 当初は母と離れる事よりも学校が変わる事の方がつらかった。 せめてミーコだけはいっしょに!と父に必死に頼んだ。 クリーニング屋の祖母にはとんでもない話だっただろう。 猫毛は敵である。 しかし父は渋々だがミーコを連れて来てくれた。 今となっては友達はミーコしかいない。 祖母の家に来てからは確かに空腹で困る事は無くなった。 ただ1つ、ちょっとした変化がおきていた。 それは両親が別居する前からだが父の店のアルバイトが男から女に変わっていたのだ。 とても優しくしてくれるその人を私は「おねぇさん」と呼び、とてもなついた。 しかし頭の片隅ではすでに警報が鳴っていた…
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迷宮

父が女性とマンションに住み始めた事も、私の住民票が始めから祖母の世帯に入っていた事も、小学生の私にはまだよく理解出来ていなかった。 ただ、祖母の家での生活はお世辞にも心地良いものでは無くて… 祖母が溺愛している叔父の存在が私と祖母の関係を取り返しのつかないものにしていた。 「タケシは素直で優しい子だよ」 それが祖母の口癖だった。 「それに比べてマユは素直じゃないねぇ…」 それも祖母の口癖だった。 不貞腐れていてもやはり誉められたい。 だから素直に接してみる。 でも祖母の口癖が変わる事は無かった。そして母から手紙の返事が来なくなり電話をしてみると母は返事を出している…と言う。 どうやら祖母が捨てているらしい。 「ママから手紙来てなぁい?」 と聞いてみた。 「来てないよ」 会話は以上。 迷宮入りである。 電話で母の声を聞いたら、さすがに恋しくなった。 「淋しいよぉ。もぅイヤだ!また3人で暮らそうよ!良い子になるから!パパと仲直りしてよ!お願いだから!」 わんわん泣いて母に頼んだ。 「無理だよ…どうにもならない事が大人にはあるんだよ」 それが母の返事だった。 では、どうにもならない子供の気持ちはどうした良いのか…。 ミーコの存在だけが私を支えていた。 淋しさを癒してくれた。 しかし… その大事な大事なミーコまでもが私の元を離れて行った。 離れて行ったのか…離されて行ったのか…やはりこれも迷宮入りである
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老害

両親の離婚が成立したところで私の生活が変わるわけではない。 相変わらず祖母の家から学校へ通う。 父は店が終わると 「おやすみ~」 と言って、おねぇさんと自分達のマンションへ帰って行く。 複雑な気持ちだった。 祖母の私に対する愛情は、いっしょに暮す様になったことで急速に無くなっていった。 そして、それをあおる人物が実はいたのだ。 それは老人だった。 祖母の叔父の嫁だったらしいその老人は近所で1人暮らしをしており、週に4~5日は昼間から夕飯の後まで祖母の家の居間を占領していた。 その老人は子供が大嫌いだった。 夕飯の時、私が食べたおかずの数を数えていて 「アンタっ○個目だよ!食べ過ぎだよ!」 と言う。 思わず箸を引っ込める。 「ご馳走様…」 と自分の部屋へ戻る私の背中に聞こえる会話… 「本当に憎たらしい子だねぇ」 こんな状態だから不貞腐れた態度になる。 不貞腐れた態度だから憎たらしいと言われる。 どうにもならない悪循環だった。 そして大人が子供に言ってはならない言葉の数々を祖母は私に言う様になっていく。 引っ越しでオモチャを全て捨てられてしまい、ミーコに去られた私は自分の部屋にいても何もやる事が無かった。 残念ながら勉強が嫌いな子供だったので。 テレビの歌番組が大好きだったが居間では子供嫌いの老人が時代劇三昧である。 仕方なく叔父の部屋でテレビを見ていると 「タケシのベットに乗るんじゃないよ!掛け布団に乗っちゃいけないってアンタは母親から教わってないのかい!!」【教わってないです…】 「タケシの布団がシワになるよ!アンタの母親が良く言ってたよ!アンタの事憎たらしいってね」 黙って聞
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親の離婚より絶望的な事

春休みが終わり、いやいや新しい学校に通い始めた。 ある日、学校から帰るとミーコがいない! 半狂乱になって家中捜すがどこにもいない。 外も捜し回った。 しかし見つからない。 祖母も父も妙に冷静。 だが、いっしょに捜してはくれなかった。 「猫は家につくって言うからねぇ…前の家に帰ったのかも知れないねぇ」 と言って話は終わった。 だが数日後の夜中…ドロドロに汚れてミーコが帰って来た。 外で鳴いていた。 うれしくて、うれしくて! しかし、そのまた数日後、学校から帰ると又ミーコは消えていた… 今度も毎日近所を捜し回ったが見つからず、とうとう帰っても来なかった。 ミーコは店には絶対立ち入り禁止だった。 店の出入口以外なら窓しか無い。私の部屋の窓は古くて開かない。 一体なぜ? 誰かが居間の窓を開けておくか、ミーコを外に連れ出すかしなければ消えるはずは無い。 でも、あまりのショックから私はそんな事を考える事など出来なかった… ミーコが消えた事の原因を探る事など…ただただ悲しくて。 ただただ淋しくて。 その後、小鳥や外犬を飼ってくれはしたが、ミーコの代わりにはならなかった。 ミーコは特別だったのだ。 そして、ミーコの件から立ち直る間も無いまま両親の離婚が成立した…。
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横暴な父

母とは電話や手紙で連絡をとっていたが会う事は父に禁じられていた。 親友のユキをはじめ団地の仲間に会う事も禁止である。 「なぜなの?」 泣く私に父は 「あの団地は環境が悪すぎる!オマエには悪影響だ!だいたいユキはシンナーやってるそうじゃないか!」 などとわけの分からない事を言い私の話は一切聞いてくれなかった。 小学生のユキがシンナーなど吸っていなかったのは行動を共にしていた私が一番知っている。確かに環境の悪い団地ではあったが、一番私にとって悪影響だったのはその家庭環境だったと父が知るのはまだまだ先だ。 そしてなぜか祖母の家で父と寝たのは最初だけで、しばらくすると父は近所にワンルームのマンションを借りた。 そして、そこで父と暮らし始めたのは何故か私では無く、おねぇさんだった…
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祖母の家

祖母の家と言っても父の店の奥なだけ。同じ建物を2つに区切って父はラーメン屋、祖母はクリーニング屋をやっていた。 そしてその奥が祖母の住居になっていた。 父の弟もいっしょに住んでいて私にとっては叔父さんだが年が8歳しか離れてないので小さい頃から「お兄ちゃん」と呼んでいた。 当時お兄ちゃんはまだ高校生。 祖母は40歳を越えてから産んだこの末息子を異常な程に溺愛していた。 そんなところにやって来た不貞腐れた孫。 理想と現実、このギャップに祖母も私も苦しむ事になる。
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