迷宮

記事
小説
父が女性とマンションに住み始めた事も、私の住民票が始めから祖母の世帯に入っていた事も、小学生の私にはまだよく理解出来ていなかった。
ただ、祖母の家での生活はお世辞にも心地良いものでは無くて…
祖母が溺愛している叔父の存在が私と祖母の関係を取り返しのつかないものにしていた。
「タケシは素直で優しい子だよ」
それが祖母の口癖だった。
「それに比べてマユは素直じゃないねぇ…」
それも祖母の口癖だった。
不貞腐れていてもやはり誉められたい。
だから素直に接してみる。
でも祖母の口癖が変わる事は無かった。そして母から手紙の返事が来なくなり電話をしてみると母は返事を出している…と言う。
どうやら祖母が捨てているらしい。
「ママから手紙来てなぁい?」
と聞いてみた。
「来てないよ」
会話は以上。
迷宮入りである。
電話で母の声を聞いたら、さすがに恋しくなった。
「淋しいよぉ。もぅイヤだ!また3人で暮らそうよ!良い子になるから!パパと仲直りしてよ!お願いだから!」
わんわん泣いて母に頼んだ。
「無理だよ…どうにもならない事が大人にはあるんだよ」
それが母の返事だった。
では、どうにもならない子供の気持ちはどうした良いのか…。
ミーコの存在だけが私を支えていた。
淋しさを癒してくれた。
しかし…
その大事な大事なミーコまでもが私の元を離れて行った。
離れて行ったのか…離されて行ったのか…やはりこれも迷宮入りである
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら