【出口は一つじゃない 認知の歪み⑫】
メンタルヘルス不調の人が悪循環に陥る
ネガティブな思考の癖にアプローチする
認知再構成法とは、過度にネガティブな
気分・感情や不適応的行動と結びついた
認知(自動的な思考やイメージ)を同定
して様々な視点からその認知を検討する
ことによって代わりとなる新たな認知を
自分で再構成するための技法なのである。
認知の構造としては、ある特定の場面に
おいて、瞬間的にオートマチックに頭に
浮かぶ考えやイメージ(自動思考)には、
妥当なものと「妥当でないもの、或いは、
部分的にしか妥当ではないもの(否定的
自動思考=認知の歪み)」があるもので、
この「認知の歪み」について話をしたい。
最終回の今日は、「トンネル視」である。
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この「トンネル視」とは、状況に対して、
否定的な側面しか見ない。暗いトンネル
の中で前方の明るい出口だけ見るような、
視野が狭まっている状態のため、一つの
側面しか見えない。ただでさえそういう
状態なのに、そのたった一つが否定的な
ものだからこそ、「認知の歪み」として
問題視されるということになるのだろう。
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例えば、私が自殺防止対策の電話相談員
採用試験に不合格だったとする(今日が
最終面接だった)。「自分には絶対無理。
力がない」と否定的にしか見ないならば、
「トンネル視」。「本来、養成講座等で
じっくり勉強してからの話。緊急募集の
やり方にも無理があるし、今後、いのち
の電話相談員養成講座を受講する予定も
あるから、先
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