【出口は一つじゃない 認知の歪み⑫】

記事
学び
 メンタルヘルス不調の人が悪循環に陥る
 ネガティブな思考の癖にアプローチする
 認知再構成法とは、過度にネガティブな
 気分・感情や不適応的行動と結びついた
 認知(自動的な思考やイメージ)を同定
 して様々な視点からその認知を検討する
 ことによって代わりとなる新たな認知を
 自分で再構成するための技法なのである。
 認知の構造としては、ある特定の場面に
 おいて、瞬間的にオートマチックに頭に
 浮かぶ考えやイメージ(自動思考)には、
 妥当なものと「妥当でないもの、或いは、
 部分的にしか妥当ではないもの(否定的
 自動思考=認知の歪み)」があるもので、
 この「認知の歪み」について話をしたい。
 最終回の今日は、「トンネル視」である。
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 この「トンネル視」とは、状況に対して、
 否定的な側面しか見ない。暗いトンネル
 の中で前方の明るい出口だけ見るような、
 視野が狭まっている状態のため、一つの
 側面しか見えない。ただでさえそういう
 状態なのに、そのたった一つが否定的な
 ものだからこそ、「認知の歪み」として
 問題視されるということになるのだろう。
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 例えば、私が自殺防止対策の電話相談員
 採用試験に不合格だったとする(今日が
 最終面接だった)。「自分には絶対無理。
 力がない」と否定的にしか見ないならば、
 「トンネル視」。「本来、養成講座等で
 じっくり勉強してからの話。緊急募集の
 やり方にも無理があるし、今後、いのち
 の電話相談員養成講座を受講する予定も
 あるから、先に少しはいい勉強ができた」
 と考えることができていればさにあらず。
 どんな状況にあっても一筋の光明を探す、
 出口の遠いトンネルにも、横手に抜け道
 がないとは言い切れない。どんなに堅固
 な要塞にも必ずどこかに弱点はあるもの。
 否定的な側面ばかり見ず(弱気にならず)
 肯定的な側面を探す(攻略法を考える)。
 マジンガーZやゴレンジャーでバリヤー
 で守られた堅固な敵要塞にも大体上部に
 僅かな穴(バリヤーで密閉できていない)
 があり、それに気づいて攻略できるのだ。
 ゲッターロボや仮面ライダーにも真正面
 からの攻撃が通じない要塞や怪人を内側
 から破壊するエピソードがあるくらいだ。
 この辺りは、おタッキーな余談になるが。
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 「トンネル視」で状況に対して否定的な
 側面しか見ないことは、メンタルヘルス
 不調者のような高ストレス者にとっては
 自然なことだと言える。他のことが考え
 られないほどの多くのストレスを抱えた
 中で、様々な側面から物事を見ろと言う
 方が無理と言うものだろう。兎に角今の
 苦しい状況から抜け出したいともがく中、
 出口が見えないと否定的にもなるだろう。
 自分が苦しい時、その苦しみの抜け道を
 自分で考えられない時は、周囲の助けを
 得ること、メンタルヘルス指導員はその
 ための存在だし、逸早く専門的なケアを
 求めるに限る。少なくとも私はそう思う。
 このように思うことが「認知の修正」だ。
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 自分一人で物事や悩みを解決できないと
 いうことは人生において多い。一人では
 何もできないというのが人間の当然の姿。
 恥じることなど何もない。お互いに助け
 合っていけばいい。心理カウンセラーや
 メンタルヘルス指導員としてのこの私も、
 助けの一端を担うためにここにいるのだ。
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 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
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