冬
スピンドルという道具をご存じですか。日本語で糸紡ぎのことです。以前、牧場で仕事をしていました。毎年夏前にひつじの毛刈りを行います。1年でひつじたちの毛はけっこう伸びるんです。それはそれは汚れていますが、秋晴れの日にせっせと手洗いをします。みるみる汚れが落ちて、美しいクリーム色の羊毛があらわれます。少し黄色がかったクリーム色です。ひつじの脂の色なのですが、防水と保温の効果があります。そして、しっかり天日干しをするとふかふかの羊毛のできあがりです。そして、スピンドルを使って紡いでいきます。冬は薪ストーブの前で糸紡ぎをするのが毎日の楽しみでした。紡いだ糸でポストカードに飾ったり、クッションを作ったり、本当の意味でもの作りの楽しさと自然の恵みをひつじたちに教わりました。私は絵を描きますが、ワークショップでは糸紡ぎ体験も行っていて好評でした。そして改めて、自然はすごいなと思います。紙は木からできているし、色は自然から感じるので、やはり日常で自然を感じられることが絵を描く源になっています。今年は特にどんな風に生きていきたいかを自分に問いかけることが多い1年でした。12月になると1年間という時の流れを思わずにはいられません。いろんなことがあったけれど、毎日少しずつ進んだことを感じられる1年でした。来年もぼちぼち、進んで行きたいと思います。
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