「本にする引き出しがない」というあなたへ/そんなことは絶対ない理由
「自分には、本にするような引き出しなんてありません」
これまで何度、この言葉を聞いてきたでしょうか。
そしてそのたびに、私は少しだけ腹が立ちます。
なぜなら、その人の人生を横で見てきた私からすれば、「そんなことは絶対にない」と断言できるからです。
飽和しているのは“ジャンル”であって、“人生”ではない
先日、知人から百冊近い本を譲り受けました。
投資、育児、自己啓発、ビジネス、健康……書店で何度も目にしてきたテーマばかりです。
ページをぱらぱらとめくりながら、正直こう思いました。
「さすがに、もう飽和しているな」
もちろん編集者の熱意は伝わります。実際に著者や編集者と話したこともあります。しかし、内容に“誰もが再現できる必然性”があるかと問われれば、疑問が残る本も少なくない。
2,000円近い価格に、どれほどの価値があるのか。
そんな冷静な目で見てしまう自分もいます。
ですが、その一方で、私は確信しています。
飽和しているのはジャンルです。
人の人生は、決して飽和しない。
高校教師の「何気ない日常」が胸を打つ理由
一昨年、私たちが電子書籍をプロデュースした高校の担任の先生がいます。
高校三年生のクラスを受け持ち、卒業式を“ただの式典”ではなく、“思いを共有する場”へと昇華させた方です。
一人ひとりに手渡した温かいメッセージ。
輪になって語り合う思い出。
涙ぐむ生徒たち。
SNSの投稿を読んだとき、私は胸が熱くなりました。
この先生は、特別な肩書きのある有名人ではありません。
私たちと同じ、ひとりの生活者です。
それでも、確実に「その人にしかない引き出し」がありました。
「誇れる
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