803.交通事故より年間死者数が多い「ヒートショック」 どんな症状が出る?
交通事故より年間死者数が多い「ヒートショック」 どんな症状が出る? どう防ぐ? 専門家に聞いてみた
気温が低い冬は室内が冷えやすく、暖房を使用している部屋とそうではない部屋とで寒暖差が生じる傾向にあります。寒い部屋と暖かい部屋とを行き来すると、温度の急激な変化によって健康被害を引き起こす、いわゆる「ヒートショック」になりやすいといわれており、注意が必要です。
そもそも、ヒートショックになると、どのような症状が出る可能性があるのでしょうか。どのように予防すればよいのでしょうか。訪問介護ステーションの経営などを手掛けるシャーンティ(神戸市西区)の社長で、ヒートショックの予防方法に詳しい龍田章一さんに聞きました。
心筋梗塞、脳梗塞などの原因に
Q.「ヒートショック」によって、体にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。主な症状も含めて、教えてください。
龍田さん「『ヒートショック』とは、『暖かい部屋から寒い部屋(屋外)に移動する』『寒い部屋(屋外)から暖かい部屋に移動する』といったときに生じる急激な温度変化によって、体がダメージを受けることを指します。ヒートショックによって、体に次のような影響を及ぼす可能性があります」
(1)血圧が急激に変化
温度が急に変わると、血管が急速に収縮または拡張するため、血圧が急激に変動します。その影響で心臓や脳などに負担がかかり、高血圧のほか、心筋梗塞(こうそく)などの心疾患、脳梗塞や脳出血といった脳疾患のリスクが高まる可能性があります。
特に冬場においては、リビングなどの暖かい部屋からトイレや脱衣所といった寒い場所に移動後、服を
0