第十一章 バリ島で私が出会った「宇宙の法則」
〜ルワ・ビネダが教えてくれた、世界の真実〜私の人生には、大きく価値観が変わった瞬間があります。それは、インドネシア・バリ島で精霊術の修行を始めた日でした。日本で生まれ育ち、祖母から祈りの姿勢を学び、人とのご縁を大切にしてきた私にとって、バリ島で出会った教えは衝撃そのものでした。そこでは、人々は目に見えない世界を恐れるのではなく、共に生きる存在として敬意を払っていました。毎日の祈り。自然への感謝。祖先への敬意。そして、精霊との調和。そのすべてが生活の中に息づいていたのです。修行を重ねる中で、師から何度も教えられた言葉があります。「ルワ・ビネダ(Rwa Bhineda)」それは、宇宙は一つの力だけでは成り立たないという思想でした。光があるから、闇の存在を知る。喜びがあるから、悲しみの意味を理解できる。成功があるから、失敗から学ぶことができる。昼と夜。海と山。静寂と躍動。そのどちらか一方が正しいのではなく、相反するものが共に存在することで、この世界は調和を保っている。それが、ルワ・ビネダの教えでした。私はその考えに触れたとき、自分がこれまで経験してきた苦しみや迷いにも、新しい意味を見いだせるようになりました。試練は罰ではない。苦しみは終わりではない。闇は光を知るための対極であり、人生の一部なのだと。その日から、私は「敵を倒す」という考え方ではなく、「調和を取り戻す」という生き方を学び始めました。白龍精霊術の根底にも、この教えは静かに流れています。人を裁くのではなく、人を理解すること。力で押し切るのではなく、心を整えること。そして、自分自身の光も影も受け入れながら、より良い未来を選び続
0