1時間のレッスンの裏にある、23時間の人生を想う。

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「これさえあれば、明日から日本語教師になれる」——そんな甘い言葉と共に、今は「道具」が簡単に手に入る時代です。
でも、それで”学習者さんのためのレッスン”ができていますか?
「立派なスライドを使って、完璧に教案通りに進めたはずなのに、なぜか手応えがない……」

それは、もしかしたら「木」で言うところの、綺麗な花や葉(授業のテクニック)を咲かせることばかりに必死で、それを支える土の下の「根っこ」を忘れてしまっているからかもしれません。

1. 「根っこ」は、学習者への「想像力」

私が考える、日本語教師にとって最も大切な「根っこ」は、学習者さんに対する「想像力」です。

レッスンは、長くても1時間や2時間。 圧倒的に、レッスン以外の時間の方が多いですよね。

「レッスンは約1時間程度です。レッスン以外の23時間も考えていますか」

・この語彙を覚えたことで、明日の職場で同僚と一言、挨拶をかわせるようになるだろうか?
・この文法が使えるようになったことで、今まで一人で怖くて行けなかった市役所へ、自分の足で行ってみようと思えるだろうか?
・今日習った事により、いつか日本に行きたいと思ってもらえただろうか。 など

文法を完璧に説明すること以上に、「この言葉を学んだことで、学習者さんの生活がどう変わるか」を考える事こそが、教える側が持っておいてほしいなと思う、私の考える「根っこ」です。

この根っこがないまま、どんなに立派なスライドを使っても、言葉はただの「記号」として通り過ぎてしまいます。学習者さんの心には、響かないかもしれません。

2. なぜ、この見えない部分を語るのか

今は、誰でも手軽に「教え方」が手に入る時代です。
私のサイト「日本語教師のたまご」でも教え方を記事で書いています。
その一方で、「なぜ教えるのか」「誰のために教えるのか」という一番大切な部分が忘れられてしまっているように感じます。

「とりあえずテキスト通りに進めればいい」
「とにかく楽しく盛り上げればいい」
「ちょっと稼げればいい」

この様な姿勢は、学習者さんの貴重な時間とお金を、無駄にしてしまっているかもしれません。
厳しい言い方をすれば、彼らの時間を奪っていることと同じなのかもしれません。

だからこそ、これから日本語を教えたいという方には、まず「0.5歩目」として、教える側の「根っこ」を持っておいてほしいと思うんです。

3. 「0.5歩」こそ勇気がいる

見えない部分に時間をかけるのは、少し勇気がいることかもしれません。
目に見える「すぐ使えるスライド」や「練習・問題集」などを揃えたほうが、安心できるかもしれません。
でも、どんなに立派な枝葉も、それを支える根っこがなければ、少しの風で倒れてしまいます。

私自身、どこかから教材やスライドを買う事自体は、否定的ではありません。なんなら、私のサイト「日本語教師のたまご」でも売っています。

ただ、売る側と買う側、それぞれ責任があると感じています。

【売る側の責任】
その教材や教案は、どんな学習者さんに教える事を想定して作成したのかを伝える

【買う側の責任】
その教材や教案は、あなたの学習者さんに合った内容なのか考えてから買う
私のサイトでは、下記の様に示しています。

ここで、販売している教材の内容は、社会人(大人)とのレッスンを想定した内容で作成しています。そのため、会社でのシーンなどが多めになっています。また、大人とのレッスンでも使用して違和感の無い様に、イラストは、可愛すぎない、シンプルなものが多めとなっています。
これを見て、購入を検討している人が、自分が教えている学習者さん合っているかどうか判断して、購入してほしいんです。

例えば、あなたが、子どもとレッスンをしていたら、上記の内容はだとマッチしませんよね。
また、大人であっても、主婦の方など、会社で働いていない人には、合わないものも多くあるかも知れません。

この様に、同じテキスト、同じ文型を教える時でも、学習者さんの層が異なれば、レッスン内容は違ってきます。

『日本語教師はじめの0.5歩』では、レッスンの構成を勉強するだけでなく、「学習者さんのためのレッスンとは何か」を考えられる様な構成になっています。

次回は、具体的なレッスンの形へとしていくための、 ゴールから逆算する思考のステップをお話しします。

第3回:レッスン構成を考える際のステップについて
合わせて読んでもらえると嬉しいです。

「連載:日本語教師はじめの0.5歩」

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