占いの相談を受けていると「将来こうしたい」という話をよく聞きます。
起業したい、画家になりたい、作家になりたい、自分の店を持ちたい。
夢を語る人の言葉は輝いていて、その話を聞く時間は嫌ではありません。
カードを見て、流れが良くない時は申し訳ないですがそのまま伝えます。
嘘を言って安心させるのは占いではないと思っているからです。
やめた方がいい時は、やめた方がいいと伝えます。
今ではない時は、今ではないと伝えます。
もちろんでは今なにをするべきかも伝えます。
でも、カードが「進んでいい」と出る時もあります。
そういう時は、「いいですね、やってみるといいですよ」と背中を押します。
すると不思議なことが起きます。
さっきまであんなに勢いよく夢を語っていた人が、急に静かになるのです。
「いや、でも資金が足らないので貯金が先」
「まだ勉強が足りないので3年後を目標にしようかと」
「実家を出てから」
「家族が反対してはいるんです」
急に現実的な理由を並べ始めます。
そして、少しずつ話の勢いがなくなっていきます。
こういう時、私はそれ以上強く勧めないようにしています。
まだ占い師として未熟だった頃は「せっかく流れがいいのだからやった方がいいですよ」と言っていました。
けれど今は、そこで強く押すことはしません。
なぜなら、その人はまだ本当にやる段階にいないからです。
夢の中で、起業したい。
夢の中で、画家になりたい。
夢の中で、作家になりたい。
そう思っている段階なのです。
本当にやる人は、応援されたら止まりません。
むしろ、そこから質問が始まります。
「まず何から始めればいいですか」
「資金はどれくらい必要ですか」
「来月から動こうと思うのですが大丈夫ですか」
話がどんどん具体的になります。
夢の話から、計画の話に変わります。
ここに大きな違いがあります。
夢を語る人はたくさんいます。
けれど、計画を立てる人は少ない。
そして、実際に動く人はもっと少ないのです。
誰かに応援してもらった時、
うれしいはずなのに、なぜか不安になり、急に現実的な理由を並べてしまう。
そして自分でブレーキをかけてしまう。
もしそういう自分に気づいた時は、
「ああ、自分はまだ本気ではないのかもしれない」
そう思ってみてもいいのかもしれません。
それは悪いことではありません。
ただ、本当に進む人は、どこかの時点で必ず動きます。
完璧な準備ができてから、ではありません。
自信がついてから、でもありません。
お金が貯まってから、でもありません。
不安なまま、準備が足りないまま、自信もないまま、
それでも一歩だけ前に出るのです。
その一歩を出した人だけが、次の景色を見ることができます。
誰かに応援された時、
その瞬間にブレーキをかける自分がいるのか。
それとも、アクセルを踏む自分がいるのか。
それを一番よく知っているのは、占い師でも、カードでもなく、
自分自身なのだと思います。